福祉PFIの先駆け 東京都中野区 江古田の森の悪戦苦闘・・・要求水準達成のためには受益者負担か中野区の運営費助成が必須!・・・



『福祉PFIの先駆け 東京都中野区 江古田の森の悪戦苦闘・・・要求水準達成のためには受益者負担か中野区の運営費助成が必須!・・・』 


介護迷走<8>月3万円上乗せで確保 
中日新聞2007年7月11日 

 介護職員集めには、好景気は“逆風”だ。他業種の給料が上がり求人が増えれば、募集をしても人が集まらず、厳しい労働環境にすぐ転職してしまう例が後を絶たないという。 (広川一人、砂上麻子) 

 「必死で人を集めたが、これほど集まらないとは思わなかった」 

 今年四月、東京都中野区にオープンした東京総合保健福祉センター「江古田の森」の諸橋泰夫事務長は、採用活動を振り返る。 

 江古田の森は、同区が民間資金を活用して社会資本を整備するPFI方式で事業を進め、公募で採用された社会福祉法人「南東北福祉事業団」(福島県郡山市)が運営する。 

 区が土地を無償譲渡し、建設費は約五十億円。うち十六億円は都が補助した。特別養護老人ホームや老人保健施設などを併設する国内最大の施設だ。利用定員は四百七十四人で、介護職員ら約三百三十人の採用を予定した。 

 ところが昨年五月から採用活動を始めたものの、八月までに内定を出したのは二十人しかいなかった。 

 同事業団はその後、説明会や採用試験を増やしたが、施設の知名度が低いことに加え、ハローワークの担当者からは「介護スタッフの時給はコンビニより安い」と言われた。 

 危機感を募らせ、福島県内で運営する施設と同じレベルだった給料に、介護職員には都市手当三万円を上乗せすることを決断した。その結果、開設が一カ月後に迫った今年三月、ようやく開設許可を得るための最低人員の二百二十人を確保した。 

 諸橋事務長は「給料を上げても、金で集まった人材は、より給料のいい施設があれば、そこに移る」と話し、「介護報酬が下がり、これ以上の賃上げは難しい。サービスで施設の評価を上げて、優秀な人材を確保したいのだが」と悩む。 

 東京都社会福祉協議会が昨年十一月、都内の民間社会福祉施設約千七百カ所を調査したところ、約六割が「過去五年間に職員確保が困難になった」と回答。特に、特別養護老人ホームは九割と突出していた。 

 職員を採用するにも、「他業界の待遇は良くなっているのに、介護報酬が減少し、給与などの待遇が悪い」「夜間勤務があるため、応募が少ない」(特養ホーム)など、労働環境の厳しさを指摘する意見が目立った。さらに仕事にやりがいを見いだせず、失望して去っていく人が多いという事態に危機感を抱く。 

 景気が回復し、労働条件がいい他業種に人材が流れているため、二〇〇六年度の都の介護関係職種の有効求人倍率は、全職業平均の倍近い二・七二倍。国では高齢者人口の増加で介護需要の急増も見込まれ、今後十年間で約四十万-六十万人の介護職員が必要になると予測している。 

 厚生労働省の社会保障審議会は今、人材確保のための指針の見直し作業を進めている。介護職の労働環境の改善やキャリアアップの仕組みづくりなどを議論する中、ある委員からは「介護需要の拡大を考えると、外国人労働者を導入しないで対応できるとは考えられない」との発言も出た。 

 都社会福祉協議会の森純一さんは「利用者ニーズが多様化する中、人手不足となった職場では、人と向き合うゆとりが失われ、やりがいをなくす、という悪循環に陥りやすい。コムスン問題で介護の悪いイメージが報道されているが、いま食い止めなければ、将来介護を支える人材が育たない」と憂えている。 


(参考) 

介護迷走<3> 勤務に合わない低待遇 

中日新聞2007年6月23日 

慢性的な人手不足にあえぐ介護の現場。その最前線に立つヘルパーは、低賃金で社会保障もないケースが大半だ。訪問介護最大手のコムスンで働く彼らの声を拾った。(高間睦) 

「きょうも一人辞表を出した。月末に何人か辞めるという動きもある。人欠は止まらない」 

名古屋市にあるコムスンの訪問介護事業所に勤めるケアマネジャー、前田恵美さん(43)=仮名=は、不安を募らせている。ヘルパーが離職していく「人員欠乏」を略して“人欠”。事業所の人員や報酬が細かく規定される介護業界では、おなじみの言葉だ。 

コムスンは不正問題から介護事業の全面撤退を決めたが、「譲渡先が決まるまで事業所が持たないかもしれない」と言う。 

コムスンのヘルパーの時給は、決して低くない。業界のトップレベルだったこともある。業界全体でヘルパーの離職率が20%を超えるが、コムスンも例外ではない。・・・・・・