2008/5/1 ガイドラインより・・・経営形態の見直し 民間的経営手法の導入を図る観点から、例えば地方独立行政法人化や指定管理者制度の導入などにより、経営形態を改めるほか、民間への事業譲渡や診療所化を含め、事業の在り方を抜本的に見直すことが求められる。

 
『ガイドラインより・・・経営形態の見直し 
民間的経営手法の導入を図る観点から、例えば地方独立行政法人化や指定管理者制度の導入などにより、経営形態を改めるほか、民間への事業譲渡や診療所化を含め、事業の在り方を抜本的に見直すことが求められる。』 
    

[命あしたへ]財政赤字と闘う(6)移譲や廃院、民間頼み(連載)=北海道 
2008.04.30読売新聞  

  
厳しい経営を迫られる自治体病院。読売新聞の昨年11月のアンケートでは、自治体病院を持ち、回答のあった道内74市町村のうち4分の1が、経営難から「今の病院の機能、規模を将来も維持していくことは不可能」と回答した。そんな中、地域の医療体制を崩すことなく、病院の経営を切り離した自治体もある。 

     ◎ 

 「私どもが運営すれば、赤字は年間9000万から1億1000万円に抑えられる」 

 「民間の方がコストが削減できる。ぜひお願いしたい」 

 常呂町の国保病院担当者とJA北海道厚生連の間でこんな協議が行われたのは、同町と北見市との合併を翌年に控えた2005年のことだった。内容は、国保病院の経営移譲についてだ。 

 町は当初、合併後も病院を存続させる方針だった。だが、医師の減少による収入減や国の診療報酬の引き下げで、病院の赤字が毎年1億8000万円程度に膨らむ見通しとなった。 
さらに医師確保も困難なため、町は病院の維持は難しいと判断、急きょ、民間に経営移譲することが決まった。 

 協議の中で、厚生連側は経営を引き受ける条件として、毎年出る赤字の全額補てんと、病院新築費約24億円の全額補助を挙げたが、同町に異存はなかった。 

 当時町長だった井原久敏・北見市副市長は「厚生連なら医師確保の心配もない。何より優先したのは病院の存続だ」と語った。 

 国保病院は、07年12月、常呂厚生病院として新たなスタートを切った。 

     ◎ 

 民間移譲した旧常呂町とは対照的に、帯広市は03年度末に、78年も続いた市立病院を廃院した。 

 原因は旧常呂町と同じく医師不足と、同年度に実質約3億円にも達した赤字だ。 

 病院を存続させれば、少なくとも毎年約2億円の赤字が続く。病院の建物は老朽化し、建て替えの必要もあった。財政負担を軽減させるため、市が選んだのが廃院だった。 

 「市民の健康を保障できるのか」 

 市が廃院の方針を表明すると、市議会などで一斉に反対の声が上がった。 

 だが、同市には帯広厚生病院(748床)、帯広協会病院(360床)などがあり、地域医療を担う民間の医療機関は充実している。むしろ、50床で内科専門だった市立病院の存在感は薄かった。これも市の決断を後押しする理由だった。 

 同市の嶋野幸也・財政担当企画監は「赤字が膨らむ前に廃院にしたのは、正しい判断だったと思う」と振り返る。 

     ◎ 

 だが、旧常呂町と帯広市が、病院経営をやめることができたのは、例外的なケースといえる。 

 地域医療に詳しい城西大学の伊関友伸准教授は「民間病院が力を持っているところなら、自治体病院の廃止も一つの方法だ。だが、他に医療機関がない自治体も多く、民間団体も簡単に経営を引き受ける状況ではない。地域の実情に応じて、各自治体が知恵を絞っていくしかない」と述べ、自治体病院運営の難しさを強調した。(小日向邦夫、森井雄一)