愛知県の医療対策協議会機能せず・・むなしい北海道内30区域再編案*道医療対策協提示*年内に構定・・・

『愛知県の医療対策協議会機能せず・・むなしい北海道内30区域再編案*道医療対策協提示*年内に構定・・・』

 愛知県蒲郡市民病院

 (愛知県蒲郡市民病院 院長 伊藤健一先生の ご挨拶一部引用) 
国は、県の「医療対策協議会」で医療崩壊を解決するといっております。 
愛知県は「県には偏在を是正する力はない」と言っています。 
大学は自身の大学病院を維持するのは精一杯であり、「自治体病院は全ての病院機能をもつような病院として存在すべきでなく、統合、集約化すべきである」といいます。 

では住民に対しての説明責任は一体誰にあるのでしょうか。 
だれも説明しないのであれば、常に患者さんに顔を向けている自治体病院が住民に説明をする必要があると考えて意見を述べます。 


地域医療とは「蒲郡市民病院は何をすればよいのか」

平成19年4月1日 

蒲郡市民病院 院長 伊藤健一 
今、全国で「医療崩壊」という言葉が台風のように吹き荒れています。しかしながら、つまるところ、病院医療の崩壊に他なりません。それぞれの地域で散発的に目にする診療科閉鎖、縮小の新聞記事は日本全体で毎日どこかで話題にされています。一体どれくらいの病院でそのようなことが起こっているのか、想像もつきません。すくなくともこの10年間で病院と名の付く医療機関が400以上消滅し、その勢いは更に加速しているという事実をしっかりと受け止める必要があります。 

一般の方は自分自身やご家族の健康障害を前にしないと、目の前に「当然あるはずの医療」が存在しなくなることは問題とはならないのでしょう。住民が、最低限どんな医療を必要とするのか。どんな医療を要望しておられるのか。どんな医療を我々は提供できるのか。今や、診療所対病院という対立図式ではなく、都市対地方(田舎)という意識に立脚した議論が必要であります。 

医療機関を住民が選択できる都市型の医療提供体制は地方では不可能であり、まったくの絵空事です。医師とか看護師といった人的医療資源が大都市へ大量にシフトしている状況では、先ずこういった状況を是認した上で、このままで良いのかどうかの議論が必要です。 

田舎で(あるいは地方で)医療をどのように選択できるでしょうか。地方では、医療を渡り歩くことができるほど、医療機関は多くは無いのです。まさに「健康格差」「医療格差」という言葉に行き着きます。 

立ち去り型サボタージュ」という言葉をご存知でしょうか。これは東京の虎ノ門病院の小松秀樹先生が言い出された言葉で、病院勤務医師は自分の体力気力の限界を感じて文句も言わずにその場をただ立ち去るのみで、後には医療崩壊という現実が残っていくということを象徴的に示した言葉です。 

マスコミはこのような象徴的なあるいは刺激的なキャッチフレーズがあると話題にしてくれますが、地方では「立ち去り」は地域医療の崩壊そのものであるという危機感がジャーナリズムには残念ながら感じられません。この「立ち去り型サボタージュ」という言葉は日本中で殆どの人が知らない単語です。医師が医師同士で傷をなめあうのはもう止めよう。自分達のありのままの姿を市民に訴えよう。そう思いながらこのホームページの原稿を書いております。 

住民はあるとき突然に自分の身近な病院医療が消滅して、先ず驚き、悲しみ、怒り、そして、嘆くのです。医師が病院から消滅する理由は何か。これだけ病院医療が崩壊の危機にあっても、なお、いまも国民はコンビニ的な24時間365日対応の専門医医療を求めておられるのでしょうか。殆どの医師は善良で「あかひげ」的に患者さんのために最善の医療を提供すべく努力をしていると思います。また、病院を預かる院長も医師、看護師の確保を考えない院長はいません。 

医療資源の提供なくして医療の確保は不可能です。しかしながら、相変わらず国は、医師不足は存在しない。2025年には過剰になる。今は偏在しているだけだといい続けています。でも、地方は現実に医師不足であります。医師が充足するまでは一体どうすればよいのでしょうか。国が言うように偏在だけであれば、ではこの医療資源の再配分は一体誰が責任をもって履行してくれるのでしょうか。 

国は、県の「医療対策協議会」で行うといっております。県は「県には偏在を是正する力はない」と言っています。大学は自身の大学病院を維持するのは精一杯であり、「自治体病院は全ての病院機能をもつような病院として存在すべきでなく、統合、集約化すべきである」といわれます。つまるところ、では住民に対しての説明責任は一体誰にあるのでしょうか。だれも説明しないのであれば、常に患者さんに顔を向けている自治体病院が住民に説明をする必要があると考えて意見を述べております。  

愛知県は以前から申し上げているように現在では全国平均に比べますと約1,800人の医師不足であります。豊橋を含む二次医療圏の東三河南部医療圏においては県レベルより少なく、蒲郡市においてはさらに医師不足であります。全国で小児科医、産婦人科医の不足が叫ばれておりますが、こういった科のみでなく、内科、外科を問わず救急医療を担うほとんど全ての科において医師は払底しております。 

日本の労働者が週40時間の労働を求められているのに対して、おおかたの二次医療機関の医師がそれを大幅に上回る勤務を強いられております。連続30時間勤務も珍しくはありません。このような医療者の過重労働に対して、国はこの過重労働を止めるようにという通達を出すだけです。 

市の掲げます「安全」「安心」な医療を行うには地域における医療機能の分化は必須であります。患者さんが市内のかかりつけ医で日常の医療を受けられて、入院や検査を必要とするときに市民病院が二次医療としてそのお手伝いをさせていただき、お引き受けするという、地域における医療連携を目指すことが是非とも必要であります。 

今すべての自治体が総合的な機能をもった病院を維持できる余力は残念ながらなくなってきております。そういった意味で、今後は患者さんを中心として考える医療圏で機能分化をも視野に入れて検討する必要があります。改めて現状の医療資源で、何ができるかという議論(病院側)。地域として、最低何が必要かという議論(行政側)。市民として何をして欲しいのかという議論(住民側)を、財政負担を考慮して考えなければなりません。 

市民にとって何が必要なのか。自治体病院は今後地域の中でどんな医療を担っていくのか。 このままでは地域医療は本当に崩壊いたします。道路アクセスの環境がよければ、地方に病院はいらないということになるかもしれません。大病院のそろった名古屋に医療を求めて住民が移動すればいいのではないかという議論にもなりかねません。 

平成20年度からはじまる後期高齢者(75歳以上)医療制度とその新しい診療報酬体系の構築、および新医療計画が問題となってきます。その中でもこういった問題が議論され、医師確保についても病院医療において「適切な人員配置を通じた勤務環境の改善が求められる」と記載が在りますし、診療所が時間外対応を行う体制の構築を要望する内容となるようです。 

問題点を羅列するだけでは解決にならず、気が滅入るだけです。しかしながら、根底で考えておかなければならないのは蒲郡に住民を守る医療を存続させなければならないというこの一点に他なりません。そのためにはいろいろな条件が整うまで、何をどこまで我慢をするかという議論が必要です。 

誰に責任があるのかという犯人探し、責任の擦り合いをすべきではなく、ではどうすればこの状態を展望のある安心して暮らせるための地域医療にできるのかをもっと議会を含めて地域で話し合いが必要ではないでしょうか。一方、国や、県は住民と我々医療者にいつまで、どのように我慢をすればよいかを示す責任があります。 

医療資源も財政も限られております。有限な医療資源、財政を有効に活用するためにも一次医療(初期医療)、二次医療(市民病院で行う医療)、三次医療(高度医療)の機能分化が必要なことは繰り返し申し上げております。この点を重ねてご理解頂きご協力を賜りたいと存じます。私は限りある医療資源で、効率性のある医療を公平に、市民の誰にでも提供できる体制を取るべく努力してまいりたいと思います。 

蒲郡市民病院は患者さんの為、市民の為にあるべき医療の姿を職員一同、常に意識して「患者さんのために最善の医療を行う」を共通理念として医療に携わっていきたいと考えております。皆様のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。 



自治体病院*道内30区域で再編案*道医療対策協提示*年内に構想策定 
2007.08.01 北海道新聞      

 赤字が深刻化している自治体病院の再編に向け、道医療対策協議会は三十一日の分科会で、道内を三十の区域に分けるたたき台案を提示した。区域ごとに、総合的な医療を行う中核病院に医師や設備を集約することで、病院の共倒れを防ぎ、地域医療の空洞化に歯止めをかける狙い。今後、各地域の意見を聞きながら、年内に「広域化・連携構想」を取りまとめたい考えだ。 

 道内の市町村立病院の累積赤字は、2005年度で約千二百億円に上り、自治体経営を圧迫している。このため、区域ごとに、自治体病院や日赤などの公的病院の中から中核病院をつくるとともに、その他を初期医療を行う診療所などに再編。核となる病院を中心に地域内の病院で役割分担しながら、医療体制の維持や各自治体の負担減を目指す。 

 たたき台は《1》現在の患者の通院動向《2》二百床程度の中核規模の病院が含まれている-などの条件を基に、道内百八十市町村を最小三市町、最大十八市町村からなる三十区域に分けた。 

 ただ、通院に車で片道二時間程度かかったり、十八市町村が含まれる広大な区域などもあるため、各地域の事情をふまえながら、同協議会でさらに区域割りを調整し、十月をめどに素案としてまとめたい考え。その上で、各区域ごとに保健所を中心に各自治体や医療関係者から意見を聞きながら、年内に構想をまとめる方針だ。 

 構想には強制力はないが、自治体の病院再編の方向性を示すものとなる。同協議会メンバーは「厳しい時代に対応するために、地域で十分議論した上で自治体病院を再編し、限られた医療資源を有効活用していくべきだ」と話している。