医師配置「満たせなければ再編を」自治体病院改革で長氏












メディファクス 2007年8月1日

医師配置標準「満たせなければ再編を」  

自治体病院改革で長(OSA)氏



自治体病院の経営改革について、総務省「公立病院改革懇談会」の長 隆

(おさたかし)座長(公認会計士、東日本税理士法人)は本紙の取材に応じ、あくまで私見とした上で、医療法で定める医師配置標準を満たせない自治体病院は再編・ネットワーク化の道を選ぶべきだとの考えを示した。



─自治体病院の経営改革に対する基本的な考えは。



長氏 沖縄・北海道のように地域に民間医療機関がない過疎地などの一部地域を除き、一般財源からの多額の繰り入れがないとやっていけないような公立病院は廃止し、社会医療法人化や非公務員型独法化するべきだ。年度内償還が原則の「一時借り入れ」を返済できないなど、民間企業ならとっくにつぶれているところが全国に残っている。返済できないのであれば、北海道夕張市のように国が関与して整理するべきだ。



─総務省が自治体に策定を求める改革プランには、公立病院経営にかかわる数値目標を盛り込むことになっている。どのような数値目標が望ましいか。



長氏 分かりやすいものでなければならない。民間は運転資金がショートすれば倒産するため、キャッシュフロー計算書を活用する方法はある。医療法で定めた人員配置標準を満たせない医療機関に対し、再編・統合を義務付けることも考えられる。また、本庁(市役所、県庁)を巻き込むことも重要だ。本庁にかかわりのない数値目標だけでは、病院だけに改革を押しつけることになりかねない。



─自治体病院の運営はどのような形態が望ましいか。



長氏 地方公営企業法を全部適用しても病院と本庁の間の責任や権限が不明確だ。首長が病院長の経営方針に口を出すケースもあるほか、そもそも病院側が実質的な予算決定権を行使できないことが多い。こうした経営形態は今後、認めないことも選択肢の1つではないか。指定管理者制度も必ずしも成功しているとはいえない。業績が良ければ経営評価などが明確になる非公務員型の地方独立行政法人化を進めるのもいいと思う。





放置すれば国が崩壊



─地方分権の流れでは、国は地方に対して病院事業の改革を強要できない。ガイドライン策定を含む今回の取り組みで、国はどこまで主導力を発揮できるか。



長氏 地方分権は「地方放任」という考え方もできる。今のような議会制度では限界があり、現に北海道夕張市では議会が監視機能を果たせなかった。このまま放置しておけば、最終的に国が崩壊するという危機感を共有しなければならない。国民が納得するような数値目標を設定し、それが満たせない公立病院に対して再編・統合を促すことは分権を阻害するようなことにはならない。「健全化法」を骨抜きにしないガイドラインなら主導権を発揮できる。また、こうした意見は座長の個人的見解であることを付け加えさせていただく。 





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メディファクス 2007年8月1日

医師配置標準「満たせなければ再編を」  

自治体病院改革で長(OSA)氏



自治体病院の経営改革について、総務省「公立病院改革懇談会」の長 隆

(おさたかし)座長(公認会計士、東日本税理士法人)は本紙の取材に応じ、あくまで私見とした上で、医療法で定める医師配置標準を満たせない自治体病院は再編・ネットワーク化の道を選ぶべきだとの考えを示した。



─自治体病院の経営改革に対する基本的な考えは。



長氏 沖縄・北海道のように地域に民間医療機関がない過疎地などの一部地域を除き、一般財源からの多額の繰り入れがないとやっていけないような公立病院は廃止し、社会医療法人化や非公務員型独法化するべきだ。年度内償還が原則の「一時借り入れ」を返済できないなど、民間企業ならとっくにつぶれているところが全国に残っている。返済できないのであれば、北海道夕張市のように国が関与して整理するべきだ。



─総務省が自治体に策定を求める改革プランには、公立病院経営にかかわる数値目標を盛り込むことになっている。どのような数値目標が望ましいか。



長氏 分かりやすいものでなければならない。民間は運転資金がショートすれば倒産するため、キャッシュフロー計算書を活用する方法はある。医療法で定めた人員配置標準を満たせない医療機関に対し、再編・統合を義務付けることも考えられる。また、本庁(市役所、県庁)を巻き込むことも重要だ。本庁にかかわりのない数値目標だけでは、病院だけに改革を押しつけることになりかねない。



─自治体病院の運営はどのような形態が望ましいか。



長氏 地方公営企業法を全部適用しても病院と本庁の間の責任や権限が不明確だ。首長が病院長の経営方針に口を出すケースもあるほか、そもそも病院側が実質的な予算決定権を行使できないことが多い。こうした経営形態は今後、認めないことも選択肢の1つではないか。指定管理者制度も必ずしも成功しているとはいえない。業績が良ければ経営評価などが明確になる非公務員型の地方独立行政法人化を進めるのもいいと思う。





放置すれば国が崩壊



─地方分権の流れでは、国は地方に対して病院事業の改革を強要できない。ガイドライン策定を含む今回の取り組みで、国はどこまで主導力を発揮できるか。



長氏 地方分権は「地方放任」という考え方もできる。今のような議会制度では限界があり、現に北海道夕張市では議会が監視機能を果たせなかった。このまま放置しておけば、最終的に国が崩壊するという危機感を共有しなければならない。国民が納得するような数値目標を設定し、それが満たせない公立病院に対して再編・統合を促すことは分権を阻害するようなことにはならない。「健全化法」を骨抜きにしないガイドラインなら主導権を発揮できる。また、こうした意見は座長の個人的見解であることを付け加えさせていただく。