広域再編・役割分担は病院間の相互信頼が大前提・・石巻市は巨額な財政負担をして 深谷病院を民間委譲という血を流した。

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『広域再編・役割分担は病院間の相互信頼が大前提・・石巻市は巨額な財政負担をして 深谷病院を民間委譲という血を流した。大合併で特にへき地の雄勝等は急性期医療堅持が必要である。、病院が張り合っているわけでなく相互信頼の動きなしに 統廃合の主張は誤っている 
日赤も民間病院・・深谷に全く関心示さなかった 
不採算に 手をさし伸べなかったのである 

民間病院への経営委譲を実施目的に深谷は公募したが 宮城県内から 地域に必要な急性期を引き受ける病院の応募は皆無であった。 

ようやく 指定管理者が決まったものの 医師招聘に現在大変苦労している 

・・日赤石巻は 医師100名体制と豪語しているが せめて1人でも良いので 今すぐ医師派遣できるのだろうか・・ 

後方病院として存続のために今すぐ救援の手を差し伸べる度量がなければ 病院間の信頼は築けない・・石巻市の病院全てを3石巻市民病院に中核病院が今すぐ 支援体制に乗り出さない限り 石巻市の不信感が大きいのは当然。』(長 隆) 


石巻市は今後のことは石巻、雄勝、牡鹿の市立3病院だけで検討するとしているが 心情は理解できる 


(医を創る)競う病院、遠い分担 診療機能再編、宮城・石巻では 

2007.07.11朝日新聞  


 医師不足といいながら、規模や診療科が同じような病院が集まっている地域は多い。そこで各病院が地域で必要な役割を分担し、むだのない医療体制を築こうという動きがある。だが、経営的なメリットの少ない役割はどの病院も敬遠したい。経営環境が厳しさを増す中、母体の違う病院同士が協力しあうことは容易ではない。(蔭西晴子) 


 ●医師派遣の拠点、譲れない 議論2年「中核」未定 

 「病院が張り合っている場合じゃない」。東北大学大学院の伊藤恒敏教授は、集まった病院長らを前にいらだちを隠さなかった。 

 宮城県東部の石巻市など2市1町からなる石巻医療圏(人口約22万人)には13の病院がある(一つは休院中)。その役割分担について話し合うため、今年3月19日に開かれた「地域医療対策委員会」の席上だった。 

 各病院に医師を派遣する東北大は医師不足を背景に、今後は地域の中核的な病院にだけ医師を集中派遣する考えだ。その他の病院へは、機能に応じて中核病院から医師を回してもらう。そこで石巻医療圏では中核病院を定めたうえで各病院の役割を調整しようと、04年11月から委員会を開いてきた。地域医療システムの研究者である伊藤教授は、東北大の代表として委員会に参加していた。 

 だが、委員会は2年余りかけて中核病院さえ決められず、この日、議論は打ち切られた。 

 規模上、「中核」は石巻赤十字(石巻日赤)病院だ。石巻市の中心部にあり、ベッド392床、医師84人がいる。だが、石巻市立病院(206床、医師28人)が「中核病院が一つでは不安。2極の形でうちも」と譲らず、話はまとまらなくなった。 

 市立側には、医師の確保を日赤に依存することへの警戒感がある。そもそも国公立病院以外の事業者である日赤が他に医師を派遣する場合、労働者派遣法の規制を受けるため、医師はいったん日赤を退職してから派遣先に行かねばならない。それに応じる医師がいるかどうかは不透明だ。 

 政府はこの規制の見直しを検討しているが、市立は今後も東北大からの派遣ルートを堅持していく考えだ。土井喜美夫市長は「市立病院は、救急など採算に合わない『政策医療』を担っている。規模は小さくても日赤とは同等だ」という。 


 ●県の3分類案に猛反発 低報酬の役割、敬遠 

 圏内13病院のうち10病院が石巻市内にあり、その大半は中心部に集まっている。それらの病院は診療科も重なりあっているが、一方では不足している機能もあり、全体として非効率な面がある。 

 たとえば、日赤と石巻市立はどちらも発症まもない患者をみる「急性期病院」で、外科や呼吸器科、循環器科など12科が重複している。近くの民間病院も同様だ。半面、産科や小児の入院施設は圏内の病院では日赤にしかない。回復期のリハビリ施設も不足している。 

 そこで県は、受け入れる患者の状態別に各病院を「急性期」「回復期」「療養期」と3タイプに分類。そのうえで役割を分担する「将来のイメージ図」=図=をつくり、昨年11月、地域医療対策委員会に示した。 

 だが、病院長たちは冷ややかだった。診療報酬が厚く配分される「急性期」の機能を減らされる病院が多かったからだ。急性期に力を入れて経営立て直しを図る石巻市立をはじめ、回復期や療養期への転換を提案された病院は「経営が成り立たない」と猛反発した。 

 各病院はいま、それぞれの生き残り策を独自に進め始めている。日赤は「医師100人態勢をめざす」(飯沼一宇院長)といい、石巻市は「今後のことは石巻、雄勝、牡鹿の市立3病院だけで検討する」(市立病院事務長)としている。 

 足並みがそろわないのは医師を派遣する東北大も同じだ。実際に人事権を握る医局の考えは、「中核病院への集中派遣」を打ち出す大学の方針通りではない。 

 ある医局の教授は「中核病院は一つといわれたら両病院とも譲れない。一つに決めなくていい」と話す。別の医局の教授もいう。「中核病院を決めるより、各病院が得意分野をのばして連携を強化すべきだ。無理な病院再編は、入らないズボンを無理やりはかせるようなものだ」


 ◇「拠点病院」、摩擦広がる可能性(読むナビ) 

 5月に医師不足対策を打ち出した政府・与党内には、大学を出た研修医を地域の拠点病院に集め、その他の病院には拠点病院から医師を派遣する案もある。これは東北大の「中核病院への集中派遣」と似た考えで、具体化すれば石巻医療圏と同じことが各地でおきてくる可能性がある。 

 国による厳しい医療費抑制政策の中で生き残りを図る病院に、利益よりも地域で求められる役割を優先するように求めることは難しい。「もう他の病院と役割分担しないと生き残れない--という状態まで追い込まれないと、個々の病院の利害対立は越えられない」。石巻ではそんな言葉を関係者から何度も聞いた。 

 もしそうだとしたら、身近な医療を頼りに地域で暮らす人々はたまらない。「効率改善を実行できずにもたもたしていたら、我々は疲弊して医療は崩壊する。そこまで無策でいいのですか」。東北大の伊藤教授が地域の病院長たちに問いかけた言葉が耳に残る。