病院事業で不良債務を抱える北海道の自治体病院

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『病院事業で不良債務を抱える北海道の自治体病院  

国の指導による 再生を強制される可能性がある自治体病院のアンケート調査結果を 読売新聞が報道している~小樽市はアンケート調査に応じていないようである~』(長隆) 
  

不良債務額(単位 百万 ) 
不良債務比率 (単位 %) 


函館市 1,081      6.8 

室蘭市 862       9.9 

夕張市 2,945      194.2 

留萌市 1,346      26.0 

美唄市 1,819      129.8 

赤平市 2,133      78.0 

士別市 328        7.6 

三笠市 279       10.9 

根室市 421       12.3 

歌志内市 38       9.1 

深川市 644       17.2 

松前町 344       32.4 

森町 84         8.5 

奥尻町 32        5.5 

由仁町 406       93.1 

白老町 295       28.4 

むかわ町 219      666.3 

平取町 109        19.1 

厚岸町 529       52.6 

羅臼町 590       121.6 

※不良債務比率は営業収益に対す 
る不良債務の割合で10%を超えると新規投資が出来ない。 
  
解説  

不良債務=流動負債-(流動資産-翌年度に繰り越される支出の財源充当額)>0 


流動負債の額が流動資産の額を上回る場合その上回る額をいう。これが発生していることは、資金不足が生じていることを意味する。不良債務をもって赤字の状況判断の基準としているのは、損益収支において黒字であっても、資本収支において資金不足を生じる場合があるが、不良債務によれば損益・資本両収支の資金繰りの状況を把握できる。 
  


2007.04.13 読売新聞 

 読売新聞北海道支社の市町村長アンケートで、新しい財政再建法制の対象となる可能性を示唆した45市町村の回答を分析すると、「公営事業会計の赤字」を理由として挙げる自治体が目立つ。特に病院事業会計は7割以上が赤字となる深刻な状況で、医師不足に加え、慢性的な赤字に悩む自治体の現状が改めて浮き彫りとなった。 

 「病院事業に約20億円の不良債務が生じている。基準は示されていないが、新しい再建法制の対象となる可能性が高い」(美唄市)、「医師不足などから不良債務が発生している。2006年度末で累積7億円の見込みだ。今後さらに拡大が予想される」(士別市)、「内部経費の抜本的な見直しにより経費縮減を図っているが、診療報酬見直しによる収入減があり累積赤字が増加傾向」(釧路・厚岸町)などの回答があった。 




 北海道庁の発表~~~~、 

『病院事業の累積赤字は前年度比97億9200万円増の1208億4800万円に上り、20事業が流動負債が流動資産を超える「不良債務」を抱えていた』。 

 新財政再建法制は、自治体の財政の病状を“健康診断”で早期に把握し、健全化させるのが狙い。財政悪化の度合いに応じ、自主的な改善努力による「早期健全化」、国などの関与による「再生」--の2段階で再建を図る。 

 普通会計の収支に関する「実質赤字比率」、公営事業会計も合わせた「連結実質赤字比率」、公営企業債なども含め一般財源規模に対する公債費の割合を示す「実質公債費比率」、公社や第3セクターなども加えた実質的負債に関する「将来負担比率」の四つの指標で財政の健全度が診断され、病院事業会計の赤字は「連結実質赤字比率」に反映される。 

 留萌地方のある自治体は、アンケートの国などに対する意見で、「深刻な医師不足で十分な医療を受けられず、緊急時には患者の生命が危機に直面する。もはや地方の医療体制は崩壊している。(新研修医制度や診療報酬改定などの)医療制度改革で自治体病院の経営状況は悪化し、自治体の財政を著しく圧迫している。国は都市部への一極集中を推し進め、地方を切り捨てるつもりだと言わざるを得ない」と怒りの声を上げた。