ヘリ特措法は、財源確保のため、民間の寄付を生かした基金創設を目玉としている。

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『ヘリ特措法は、財源確保のため、民間の寄付を生かした基金創設を目玉としている。しかし、具体的に寄付のあてがあるわけではない。厚労省のある職員は「正直、法律化した効果のほどは測りかねている』と漏らす。実効性を伴うまでには、なお時間がかかりそうだ・・・・・しかし(株)日本ヘリ共同運用機構は寄付に頼らず 沖縄県 北部医師会方式で、医業収入の範囲内で 全国に導入をサポートします』(長 隆) 


「空飛ぶ救命室」導入を後押し ドクターヘリ法が成立 
2007.06.22 読売新聞  
 救急医や医療機器を乗せて急患の搬送に当たる「ドクターヘリ」の全国的な導入を目指した特別措置法が19日、成立した。へき地や離島などの医療空白域をカバーしたり、交通事故現場に急行したりする「空飛ぶ救命室」として普及が期待されているが、実現までには課題も山積している。(高梨ゆき子) 

 患者の救命率アップを狙い、厚生労働省は2001年、各地の救命救急センターが配備する場合、年間経費として約1億7000万円を国と都道府県で半分ずつ補助する事業を始めた。今回成立した特措法は、これを法制化したものだ。 

 6年前の事業開始当初は、5年間で全国に30機導入する計画だったが、現在あるのは10道県の11機だけ。多くの自治体は財政難を理由に二の足を踏んでいる。ドクターヘリほど高度な機能はないものの、搬送だけなら都道府県の消防防災ヘリや自衛隊のヘリも活用できることも背景にある。 

 徳之島などの離島を抱える鹿児島県。昨年度、消防防災ヘリと自衛隊ヘリが計169回救急搬送に出動したが、ドクターヘリ導入は具体化していない。県内唯一の救命救急センターである鹿児島市立病院にはヘリポートはなく、新設するスペースもない。同県保健医療福祉課は「財源の問題で、導入は難しい」と話す。 

 財源確保は、導入済みの自治体にとっても難題だ。補助額は年240回の出動を想定しているが、01年度に導入した千葉県の年間出動件数は600回を超え、経費の超過分は病院などの持ち出しになってしまう。 

 また、大都市圏では交通事故対応が主だが、大規模事故が多い高速道路では着陸地の確保が難しく、活用が本格化していない。今年2月に愛知県内の東名高速道路で起きた死傷者9人の多重事故では、同県のドクターヘリが着地点の確保に手間取り、到着が遅れた。 

 特措法は、財源確保のため、民間の寄付を生かした基金創設を目玉としている。しかし、具体的に寄付のあてがあるわけではない。厚労省のある職員は「正直、法律化した効果のほどは測りかねている」と漏らす。実効性を伴うまでには、なお時間がかかりそうだ。 

 ◆財源確保早急に 

 厚労省によると、米国は1972年に導入し、546か所(04年)にほぼ24時間体制で配備。70年導入のドイツは64か所(05年)に配備し、国内全域をカバーする。米独に比べ、日本の立ち遅れは明白だ。千葉県印旛村の日本医大千葉北総病院救命救急センターの益子邦洋教授は、「救急医療の現場では、ヘリの効果は大きく、救急車では到底助からなかった人が助かっている。財源確保の仕組みを早急に確立してほしい」と話している。