近江八幡市総合医療センター あり方検討委員会の審議は 公開で行われています。  意見の異なる人も委員会に対して 建設的提案を書面で寄せてください


近江八幡市総合医療センター あり方検討委員会の審議は 公開で行われています。 
 意見の異なる人も委員会に対して 建設的提案を書面で寄せてください』 

現場から記者リポート:近江八幡市総合医療センター 揺れるPFI方式経営 /滋賀 
2007.12.22 毎日新聞  
 ◇市長交代で解約も検討--最終的なツケ、市民に 

 昨年10月、全国初の本格的なPFI(民間資金等を活用した社会資本整備)方式で開院した近江八幡市立総合医療センターが今、揺れている。病院事業管理者が辞職したうえ、産婦人科の医師不足。今月4日には、PFI事業の「あり方検討委員会」が設立され、市はPFIの契約も含めて病院経営を見直す。来年1月末には結論を出すが、解約となれば、莫大(ばくだい)な違約金が待ち受ける。前身の市民病院時代から親しんできた市民は「私たちの病院は一体どうなるの?」と固唾(かたず)をのんで見守っている。【斎藤和夫】 

 ◆PFI導入の経緯◆ 

 旧市民病院の老朽化に伴い、前市長時代の01年3月、PFI事業の導入を決定。医療は市が担当し、建設や管理運営は委託先の特別目的会社「SPC」が担当する仕組み。市とSPCは30年間の契約を交わし、30年後に建物などが無償で市に引き渡される。従来の方式だと、建設や維持管理、関連サービスに30年間で750億円かかるが、PFIでは682億円で済み、68億円が節約できると試算された。 

 最新設備のため、開院5年間は減価償却の出費がかさんで赤字が続くが、その後は黒字に転換するとされ、市議会も承認した。 

 ◆市長の交代◆ 

 ところが、開院2カ月後にPFI事業に否定的な冨士谷英正市長が就任すると、混乱が続いた。前市長が公募で選定した病院事業管理者と意見が対立。同管理者は「PFI方式で現市長と意見が合わない」と今年3月、半年で辞職した。同時に採用された病院事務長も、4月に事務長職をはずされ、10月には市長部局へ異動させられた。元事務長は市公平委員会に「病院以外の異動には応じられない」と不服を申し立てた。また、前市長らが書いた新病院のガイドブックが発刊後、半年余りお蔵入りになっていたことも毎日新聞の報道で発覚した。 

 ◆来年度は連結決算◆ 

 これらの問題が余震とすると、本震は「あり方検討委員会」。同市長は11月末、「新年度から病院事業も市と連結決算になる。多額の赤字が予想される病院を改革するため、有識者による『あり方検討委員会』を設置したい」と発表した。「病院の赤字は昨年度は3億円だが、今年度は24億円。このままでは(北海道)夕張市の二の舞になる。検討委ではPFIの解約も前提に議論をしてもらう」と明言した。99年のPFI法の成立後、全国的にPFI事業で解約のケースはなく、市長の発言は波紋を広げた。 

 ◆批判続出の検討委◆ 

 同委は市長の諮問機関で、8人。市からは槙系(まきけい)・院長と正木仙治郎副市長の2人。外部委員は総務省公立病院改革懇談会の長隆(おさたかし)座長、全国自治体病院協議会の小山田恵会長ら6人で、外部委員はPFIに批判的な人が多い。 

 第1回委員会では、「(病院事業を委託する)SPCの効率の悪さ」「契約の不透明さ」「センター内に医療行為を行う職員とSPCという二つの組織が存在して運営することの難しさ」などPFI批判が相次いだ。病院関係者では槙院長と須貝順子院長代行が意見を求められたが、2人も「SPCの物流管理は、ずさん」「最初にPFIありきで、職員は選択の余地がなかった」と批判した。 

 一方、当初の試算の通り、開院当初は多額の減価償却費などのため、全体では赤字になるものの、医業収益自体は伸びていることは委員も認めている。 

 ◆被害者は市民◆ 

 同委は初回で悪役に挙げられたSPCの関係者から第2回目に意見を聞く予定だ。しかし、私は公正な判断をするなら、中間派や推進派の意見も聞くべきだと思う。正木副市長は「PFIが正しいかどうかを議論するのが目的ではない」と言うが、PFIを止めるための委員会との印象が強い。民間業者であるSPCも首長が代わったからといって、方針転換されたら、たまらない。大きなトラブルもないのに、解約となれば、建設費の百数十億円は即刻支払わなければならないうえ、SPCの今後の利益も補償せねばならない。一般会計が約200億円の市予算では払い切れず、最終的に被害をこうむるのは市民だ。委員会には慎重な審議と公正な判断を望む。