平成20年度診療報酬改定の基本方針

平成20年度診療報酬改定の基本方針

社会保障審議会医療保険部会   平成19年12月3日

社会保障審議会医療部会

1 平成20年度診療報酬改定に係る基本的考え方
(1) 国民の健康・長寿という人間にとって一番大事な価値を実現するためには、国民の安心の基盤として、質の高い医療を効率的に提供する医療提供体制の構築と、将来にわたる国民皆保険制度の堅持とが不可欠であり、各地域で必要な医療の確保を図るためにも、不断の取組が求められる。
(2) したがって、今回改定においても、前回改定に際して当部会が策定した「平成18年度診療報酬改定の基本方針」(平成17年11月)に示した「基本的な医療政策の方向性」、「4つの視点」等(別紙参照)を基本的に継承しつつ、以下の現状を十分に認識して対応するべきである。
(3) すなわち、現在、産科や小児科をはじめとする医師不足により、地域で必要な医療が受けられないとの不安が国民にある。医療は地域生活に欠くべからざるものであり、誰もが安心・納得して地域で必要な医療を受けられるよう、また、地域の医療従事者が誇りと達成感を持って働ける医療現場を作っていけるよう、万全を期す必要がある。
(4) 平成20年度診療報酬改定は、保険財政の状況、物価・賃金等のマクロの経済指標の動向、全国の医療機関の収支状況等を踏まえつつ、基本的な医療政策の方向性や地域医療を巡る厳しい現状を十分に認識した上で行う必要がある。具体的には、医師確保対策として、産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担軽減を重点的に図ることについて、今回診療報酬改定における全体を通じた緊急課題として位置付けるべきである。


2 今回改定の基本方針(緊急課題と4つの視点から)

【緊急課題】 産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担軽減を図るためには、産科や小児科への重点評価を行いつつ、病院内での取組及び病院が所在する地域での取組を推進することが必要となる。
(産科・小児科への重点評価)
ア 産科や小児科の診療科における病院勤務医の負担軽減を図る観点から、産科医療については、ハイリスク妊産婦や母胎搬送への対応が充実するよう、また、小児医療については、これまでの評価の充実等も踏まえつつ、特に手厚い体制の専門的な医療を提供する医療機関に対しての評価の在り方について検討するべきである。
(診療所・病院の役割分担等)
イ 病院勤務医の負担軽減や診療所と病院との機能分担と相互連携を進める観点から、診療所における夜間開業の評価の在り方や、大病院が入院医療の比重を高めていくことを促進する評価の在り方について検討するべきである。
(病院勤務医の事務負担の軽減)
ウ 病院勤務医の負担軽減を重点的に図るためには、医師が必ずしも自ら行う必要のない書類作成等の業務について、医師以外の者に担わせることができる体制の充実を促進するための評価の在り方について検討するべきである。