公立病院改革ガイドラインを 高く評価・・静岡新聞 社説


『公立病院改革ガイドラインを 高く評価・・静岡新聞 社説』 


社説(2007年11月22日・木曜日)=自治体病院、経営改善策-地域の連携が不可欠 
2007.11.22静岡新聞  
 全国に約一千ある自治体病院の七割が赤字である。一般会計から出される繰入金を加えてもなお赤字といい、厳しい地方財政をさらに圧迫する要因になっている。 

 このため自治体病院の経営改善策を検討してきた総務省は、自治体に対し、数値目標を設定した改革プランを来年度中に策定するよう促す案をまとめた。 

 数値目標は(1)経常収支比率(2)職員給与費比率(3)病床利用率-などに設定。特に病床利用率が「三年連続で70%未満」の病院には診療所(二十床未満)へ転換させるなど、かなりの荒療治である。 

 確かに自治体病院には過疎地での医療や、民間病院がやりたがらない不採算医療を担っており、その点は酌量しなければならない。だとしても問題点を長年放置してきたツケが噴出したとも言える。 

 赤字病院が抱える課題には共通点が多い。これまでも指摘されてきたことだが、まずは役所体質、それが経営の非効率を招いている。経費の無駄遣いも多い。例えば、薬や医療器材を一括購入して安くする、といった民間なら当然のコスト意識に欠けている。 

 さらに医師、事務職の給与体系が年功序列で画一的、民間より割高なことが挙げられる。疲弊が問題になっている勤務医の厚遇は理解できるが、頑張った分だけ報われるシステムにはなっていない。 

 どの自治体も病院の経営形態にメスを入れざるをえないだろう。だが民間に移譲したり運営委託すれば、不採算医療が切り捨てられる不安も出てくる。静岡県立三病院(総合、こころの医療センター、こども)は地方独立行政法人を選択、来年度から移行する。その成果に注目したい。 

 次に、どの自治体病院も全診療科をそろえた「総合」病院を名乗ることはないと言いたい。医療の質を低下させることなく効率化を進めるには、医療資源を集中させることが必要だ。 

 藤枝市立総合病院の保険診療停止や、掛川市立総合病院と袋井市民病院の統合問題を通して、地域の連携の重要性が住民にも十分に理解されたのではなかろうか。 

 総務省は医療機関の統合・再編には地方交付税で支援することも考えているようだ。だが周辺地域まで含めた病院と病院、病院と診療所で機能分担し、補完し合うことをまずは考えたい。 

 さらに自治体病院同士だけでなく、民間医療法人と競合する診療科があれば、民間に任せてもいいのではないか。医師不足で診療科を閉鎖し一人残らず去られるよりも、集中化こそが次善の策に思われる。