『一番まずいのはいうまでもなく、公務員のままにすることだ』


『一番まずいのはいうまでもなく、公務員のままにすることだ』 

社説 〔公立病院の民営化〕 職員の扱いに失敗できぬ 
2007.11.07 北国新聞朝刊   
  

金沢医科大が、経営の悪化から公設民営化を目指す氷見市民病院の指定管理者に内定したが、医師確保の問題とは別に職員の身分をどうするかという厄介な問題があるのを見過ごせない。結論からいえば、この問題で失敗すると、民営化もうまくいかないのである。 

 同市は、交渉の窓口になっている自治労富山県本部に対して看護師や薬剤師ら約三百人の職員について金沢医科大に再雇用してもらう案を示しているが、職員の非公務員化であるため、自治労側が反発しており、交渉の行方が心配されている。 

 民営に切り替わるのだから、職員は公務員の身分を失うのが原則だ。民営化されても公務員のままというのではどんな改革も進まない。改革後も公務員の身分を失わないということになると、世の中は公務員だらけになってしまう。 

 が、公立病院の公設民営化は始まったばかりということもあって、職員の身分の扱いが分かりやすい形で公表されておらず、自治体によって異なるため、これだという「お手本」がないのが現状のようだ。 

 指定管理者制を導入した公立病院は全国に四十三あるが、公務員の身分のまま民営化したことが改革の足を引っ張っているケースや、非公務員化で手取りが30%から40%も減った上に、税金で建てた病院が指定管理者によって私物化されているケースもあるといわれている。

 さらに民営化といっても、国立病院の場合と自治体病院とでは違う。また、公立病院を廃止して民間の医療主体に譲渡する場合もある。だから一様にいえないのだが、職員のやる気を奮い立たせるために、一応の目安がないわけではない。それをいくつか拾うと、再雇用に当たって退職手当に割り増しを付ける、人事ではこれまでの知識や経験が生かせるように配慮する、三年間くらいは手取りが減らないようにする-等々である。 

 一番まずいのはいうまでもなく、公務員のままにすることだ。公務員の職員と、そうでない職員の二通りをつくると、職場に一体感が育たないばかりか、トラブルも発生しやすく、全体の士気が低下する。住民のためを第一に進めたい