「使われない病床の削減に住民反対するか」 国の公立病院改革懇談会・長(おさ)座長


「使われない病床の削減に住民反対するか」国の公立病院改革懇談会・長(おさ)座長/北海道 

2007.11.06 朝日新聞北海道朝刊 2  
  
総務省が公立病院の経営改善を目指し、病床利用率が3年続けて70%を切った場合に病床削減や診療所化を迫る「改革ガイドライン」案を公表したことについて同省の公立病院改革懇談会の長(おさ)隆座長が5日、東京都内で講演した。削減案に道内の自治体などから反発が出ていることについて、長氏は「使われない病床の削減に住民が反対するか」と述べ、批判を牽制(けんせい)した。 


 長(おさ)氏は公立病院は民間に比べ人件費率と病院の建設コストがはるかに高い実態を紹介。実効性のある改革がいまこそ必要、と強調した。 

 そのうえで、道内の首長や公立病院関係者が「病床削減は医療サービス低下につながる」などと危惧(きぐ)している点に触れ「病床削減を迫られる自治体は病院職員をリストラせざるを得ない。そこに抵抗感があるのでは。労組の反対も予想されるのだろう」と指摘した。 

 一方、ガイドラインが公立病院への財政支援措置について「別途、検討する」とした点について長氏は、効率経営を進めても経営が厳しい地方都市の診療所などには「人口1人あたり1万円の交付税措置をするのはどうか」との見解を示した。 

 その根拠として、経営破綻(はたん)した夕張市の市立総合病院を診療所化して経営を引き継いだ村上智彦医師がかつて勤務した道南のせたな町の診療所を例示。長氏によると、村上医師は予防医療に力を入れ、医療費削減を進めたが、なお人口1人あたり1万円程度の税金投入が必要だった、とした。