『名古屋大学付属病院の新院長に松尾清一氏が就任されました。任期は2007年(平成19年)4月1日から3年で再任もあると言うことです』

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『名古屋大学付属病院の新院長に松尾清一氏が就任されました。

任期は2007年(平成19年)4月1日から3年で再任もあると言うことです』  

~~副院長時代に お話を伺う機会がありました。 
 名古屋大学が新臨床研修制度を 11年からすでに実施していることで知られています。 
名古屋大学は 不当に医師の引き上げなどしておらず内科は派遣を全体では増やしているほどです。 
医師不足は 臨床研修制度の所為ではなく 受け入れ病院側の対応にこそ問題があると言えます。 
松尾院長は 次の様にコメントしています。 
「医療構造改革が大きく進もうとしている中で 医師不足は、名大病院といえども大きな課題だ。国、県の動向を踏まえ自助の努力も継続して必要、医師のキャリアパス システムなどを注視していく」 (長 隆)
 
  
以下は医師キャリアパス システム 参考資料 
地域医療を活性化する 国立大学病院 専門医養成システム 
地域医療機関とともに構築する医師循環ネットワーク・・平成17年8月 
国立大学附属病院長会議 
はじめに 
近年,地域医療の過疎化が地域の基幹病院を中心に進行し,国民の生活に影響が生じていることが,メディア等で具体的に報道されるに従い,現実的な問題として社会的にもクローズアップされるようになってきた。 
このような現象が急速に顕在化した一因として,平成16年度にはじまった新医師臨床研修制度の必修化後の,研修医の流動化があげられる。都会を中心とする特定の研修施設への研修希望の偏在により,地域医療の過疎化が急速に進行するとともに, 医師の需給の地域的な格差が拡大している。また,現状の制度下では,幅広く開かれた医療環境の中で様々な診療経験を経つつ医師を育成する体制の不十分なことが懸念される。このような状況では多くの医師は,過疎地域の医療現場で力を発揮する機会に恵まれず,community-based medical care の意義や価値観から隔絶されがちとなり,医師需給の地域的不均衡は,今後ますます助長されることになる。 
若い医師は,診療チームの中で,互いに助け合い切磋琢磨し,そこで養った実力を地域において発揮して自力で診療するといった異なる環境での修練を経て,はじめて 複合的な医療ニーズに応えることができる真に実力のある専門医として成長することができる。 
このため,若い医師を地域と大学病院で循環して地域医療をサポートするとともに,チーム診療を実践しながら,専門医として育っていく修練システムを構築することは 重要であり,このような考え方に立って国立大学病院も積極的に役割を果たすために,このモデルプランを取り纏めた。 



第1 必要性 
○ 都会を中心に分布する臨床研修病院に研修希望者が集中する一方,研修希望者が 少ない地域では,医師の過疎化がすすみ,地域医療が崩壊の危機に瀕している。新医師臨床研修制度においては地域保健・医療研修が必修科目とされているが,今後も,地域保健・医療研修の更なる充実のため,卒後臨床研修プログラムの見直しが必要である。さらに,卒後2年間だけでなく,卒後3年目以降についても診療経験を通じて地域医療の重要性についての認識を深める必要がある。 
○ 研修医に対しては,精神面や安全管理などの点で,きめ細かな配慮が必要であり, 卒後3~7年目の医師が指導医とともにチーム診療の中で研修医をサポートする 必要がある。 
○ 国立大学には「知識・技術の創造拠点」「中核人材の養成拠点」「社会的な寄与」 という果たすべき役割があり,優れた医師を育成・輩出するという医育機関としての責務は重大なものである。 
第2 理念と目的 
(1) 地域を活性化する専門医の養成 
必修化臨床研修の2年間で培われたプライマリ・ケアの基本的な診療能力を背 景に,さらに基本的な診療能力を向上させるとともに,国立大学病院において専門的な診療能力を修得し,これを地域医療の現場で実践し,地域医療を担う心と 技能を開拓して,地域のニーズに応えられる専門医を養成する。 
また,実践的な診療能力のある臨床医を,地域医療機関と国立大学病院の開かれた新しい医師循環システムの中で,人材を共有することにより,地域医療の充実と医療水準の向上を図るとともに,第一線の地域医療における臨床経験をもった医師の導入により国立大学病院の診療,臨床教育の活性化を図る。 
これにより,研修希望の偏りと,医師の偏在により過疎化が進行している地域医療を活性化するとともに,専門医をめざす医師を循環させることにより,豊かな人間性とチーム医療でリーダーシップを発揮できる水準の高い専門医を養成する。 
国立大学病院と地域医療機関のレジデントの循環システムは,指導医も含めて臨床医全体について,開かれた新しいネットワークとして構築していく。 

また,地域医療機関からも積極的に若手医師を受入れ(医師臨床研修における。 
「協力型相当大学病院」のように),相互に受入を行う体制を構築する。 
(2) 高度な専門性を持った実力のある臨床医の養成 
専門性の高い医療が実践されている大学病院において,従来の卒前医学教育や 医学研究を目指すだけでなく,専門的な医療が実践できる臨床医を系統的に養成するシステムを構築する。これにより,必修化臨床研修の2年間で培われたプライマリ・ケアの基本的な診療能力を背景に,実力のある専門医を養成し,水準の 高い専門的な医療をもとめる地域社会のニーズに応える。地域社会で特にニーズの高い総合的なケアを修め,プライマリ・ケアを極める医師も,高度な専門性を持った臨床医であり,養成すべき専門医に含めて考える。 
(3) 診療チームシステムの導入による研修 
この専門医養成システムによるプログラムに参加する卒後3~7年目の医師を「国立大学病院レジデント」(診療に専従して専門医をめざす医師,以下「レジデント」という。)と呼び,研修医,学生とともに診療し,ともに修練する診療チームシステムを国立大学病院に構築する。中でも,レジデントの中で,診療チームを統括する者をチーフレジデントとし,リーダーとしての役割を与える。これにより,診療チームに貢献するとともに,リーダーシップを発揮できる人間性豊かな専門医を養成する。レジデント・研修医・学生が,「ともに診療し,ともに修練する」システムを構築することにより,屋根瓦方式の教育・研修が実践できる。研修医が精神面や安全管理など,きめ細かな配慮の中で,文字通り若いチームの一員として,生き生きと研修できるシステムを整備する。 
(4) 若手医師のキャリア形成を支援 
様々な可能性を秘めた若手医師の多くは,自ら将来のキャリアデザインを形成し,それの実現に向けて日々努力している。そのキャリアデザインは様々であり, 国立大学病院としては,これら全てのキャリアデザインが実現できるよう支援する。 
そこで,必修化臨床研修修了後の専門医養成では,若手医師のキャリアデザイン4 の実現のため,柔軟性に富んだプログラムを提供し,将来,様々な方向へ進む 若手医師のキャリア形成を支援し,医師としての次なるステップへの土台作りを支援する。特に地域医療を担う心と技能を養成できるプログラムの提供とキャリア形成支援は,国立大学病院の社会的使命の一つである。 
第3 研修プログラム 
○ 若手医師のキャリア形成を支援するという観点から,各国立大学病院・各地域の 特性に応じた特色のある,かつ,若手医師の視点から構築された柔軟性に富んだ研修プログラムを策定する必要がある。 
○ 修練期間については,各領域により異なることが考えられるが,およそ卒後3~7年目の5年間を焦点にシステム化することが適当と考えられる。 
○ 国立大学病院のみで修練を行うのではなく,地域医療機関等と連携を図り,国立大学病院-地域医療機関間でローテイト研修を行う。なお,ローテイト期間は,初期臨床研修でおこなっているような短期間ではなく,年単位を基準とするが,研修領域,地域の特性その他諸事情を勘案し決定する。ローテイトする年次についても 同様に決定する。 
○ 国立大学病院と地域医療機関とのローテイトのシステムは,診療科,あるいは医局単位ではなく,国立大学病院と地域医療機関の開かれた運用システムとする。 
○ それぞれの国立大学病院をとりまく地域社会の実際的なニーズに合致した,柔軟なシステム構築をめざす。 
○ 研修プログラムは,単に各研修分野の専門的知識や技能を修得させるだけでなく,必修化臨床研修で培われたプライマリ・ケアの基本的診療能力を更に向上させるとともに,研修に従事する者のキャリア形成を支援できるよう策定する必要がある。 


研修目標の例 
1. 診療研修チームのリーダー,あるいはサブリーダーとして,チームの診療や研修を推進する。 
2. 国立大学病院の診療を通して,高度な専門医療を修得する。 
3. 一定期間,地域医療の第一線で実践的な診療に携わり,地域医療を担う心と技能を養う。 
4. ・・・・・・ 
5. 
第4 研修体制 
○ 研修の運営及び研修に関する諸問題への対応が円滑に行えるよう,必修化臨床研修をマネジメントしている卒後臨床研修センターと同様の役割を果たす組織を 設置することが望ましい。 
○ レジデントの身分を明確にし,また,修練に専念できるよう,必修化研修医と同等もしくはそれ以上の処遇を確保する必要がある。 
○ 採用人員については,国立大学病院毎に決定されるものであるが,それは行き届いた教育とフォローアップが可能な程度とする必要がある。 
第5 指導体制 
○ 病院全体及び診療科・部門における指導責任体制を明確にする必要がある。 
○ 診療チームを形成し,チーム単位で診療・教育を行う。 
図:指導体制の具体例 
第6 新システムにより期待される効果 
○ 卒後3~7年目の医師を国立大学病院と地域医療機関との間で積極的に循環することにより,地域医療の活性化が図れる。 
○ 国立大学病院と地域医療機関等が協力して医師の育成に取り組むことにより,地域全体の医療の充実と質的向上が図れ,若手医師の定着化が図れる。 
○ 診療チームを構成して,診療・教育を行うことにより,研修医や学生へのきめ細やかな指導とサポートが可能となる。 
診療チーム 
指導医 
卒後5~7年目 
卒後3~4年目 
研修医 
学生 
診療チーム 
指導医 
研修・修練指導責任者 
卒後5~7年目 
卒後3~4年目 
研修医 
学生 学生 
研修医 
卒後5~7年目 
卒後3~4年目 
研修医 
学生 学生 
研修医 
診療チーム 

○ 医師循環システムを構築することにより,国立大学病院で専門的な知識・技能を修得し,かつ,地域医療機関での実践を経た幅広い臨床経験と地域医療の意義と重要性を認識できる若手専門医が養成でき,これにより専門医の質的向上が図れ,我が国の臨床の水準の向上へとつながる。 
○ クリニカル・クラークシップの促進・充実が図れ,学生の診療参加が促進し,充実した学生教育が可能となる。 
今後に向けて 21世紀の我が国の医療を担う若い医師の臨床能力の修得及び向上を図り,優れた 臨床医を社会に輩出することは,国立大学病院の大きな使命の一つであり,それにより我が国の医療全体の質の向上に資するものと考える。 
このモデルプランは,国立大学病院において,過去や現状にとらわれない思い切った制度設計が現時点で必要であることを示したものである。 
これを実現するためには,国立大学病院が核となって地域とともに新たな医師循環 システムを構築するとともに,各国立大学病院及び各地域の状況に応じた具体的な専門医の養成プログラムを提供していかなければならない。 
そのためには,今後,次のような問題に対処していく必要がある。 
・ 地域医療機関との協力・連携体制の構築 複数の医療機関において研鑽を積むことで,より優れた臨床医が育成される。そのためには地域の特性と事情に応じた協力・連携体制を充実するとともに,国立大学病院と地域医療機関の開かれた医師循環システムを構築する 必要がある。 
・ 指導スタッフの充実 
国立大学病院の指導医は,診療・教育・研究という業務を遂行していかなければならず,これら指導医層には過度な負荷がかかっており,レジデント・研修医・学生に対して,より充実かつ行き届いた指導とサポートを行う 
ためには,指導スタッフの充実は不可欠である。 
・ 処遇のあり方 
新医師臨床研修制度の施行により,研修医の処遇は全国的に改善されたが, 従来の医員の処遇は見直されないままであり,研修医との給与額の逆転現象7が生じている。モチベーションの維持とよりよい人材を確保するためにも, 今後,教員以外の診療に従事する医師の処遇改善に向けた努力が必要である。 
・ 大学院教育との整合性 
専門医養成プログラムを構築するにあたっては,レジデントのキャリア形成支援という観点から,本人の希望に最大限対応できるよう,大学院への進学などへのサポートを含め,専門医養成プログラムの弾力的な運用が図れるようにする必要がある。 
また,大学院教育と専門医養成との整合性を図る必要があるが,これは医師としてのキャリア・パスを考慮し,育成すべき医師像を明確に持った上で, 今後さらに議論を深める必要がある。 
これらの問題に対処し,充実した専門医養成を行うためには,各国立大学病院の自主的な努力と各国立大学病院間の連携はもとより,文部科学省等関係行政機関,関係諸団体の協力は欠かせず,今後は,関係行政機関及び諸団体へ理解と協力を求めていくとともに,新たな専門医養成システムを具体的に実施可能となるよう,平成18年4月の実施に向けて必要な環境整備に努めていかなければならない。 


(参考ホームページより引用 ) 
   名古屋大学医学部附属病院長      

 松尾   清一の挨拶 
   皆様,名大病院のホームページアクセスして頂き大変ありがとうございます。 
   名大病院は,明治4年の名古屋藩評定所跡に仮病院が置かれたときに始まり,診療,教育,研究の中心として,130年以上にわたって東海地方のみならず世界的なレベルで医学医療に貢献してきました。 
   名大病院には多くの優秀なスタッフが勤務しており,医療の質と安全を重視し,患者様の満足度の高い医療を提供できるよう,日々医学医療の研鑽に努めています。また設備面の充実も着々と進んでおり,平成18年度に最新鋭の設備を備えた中央診療棟が完成し,また平成20年度には患者様のアメニティーを重視した新外来診療棟が竣工する予定です。 
   私たちは,患者様には安全かつ高度で満足度の高い医療を提供し,学生や研修生には豊かな教育を行い,そして職員には社会貢献度の高い仕事を通して深い満足感を得て頂ける,病院になりたいと願っています。また,次世代を担う優れた医療人の育成や,新しい医療技術の研究開発も,国民から名大病院に課せられた大切な使命であると考えています。 
   私たちは,名大病院がこのような使命を達成するために,構成員である職員や学生だけではなく,広く市民や患者の皆様の率直なご意見に耳を傾け,社会に開かれた病院・国民の負託に応える病院として一層の充実を図るため,努力を続けて参りたいと考えています。