高知医療センター,ノーリスクのオリックスSPC(オリックスは自画自賛している!)だけが生き残るのか?



『高知医療センター ノー リスクの オリックスSPC(オリックスは自画自賛している! )だけが 生き残るのか?・・・
、開院後数年は四億三千九百万円に抑えられている民間融資分の返済額は〇八年度以降、三倍近くに増加する見込み,返済のために県や市による補助金の増額は免れず・・・と報道されているが 単なる赤字補填は 法に触れる ・・レッドマーク必至である』 

 こちら特報部 『PFI病院』で贈収賄 民活制度の落とし穴とは(下) 経営内容 闇の中へ 『病院赤字でも、運営企業は黒字』 企業秘密の壁 『まずは情報公開を』 
2007.10.17中日新聞   
 同センターをめぐっては、汚職事件の発覚以前にも「赤字経営」の問題が指摘されていた。

 企業団によると、オープンした初年度に当たる〇五年度は、センターの赤字は十七億五千四百万円。二年目の昨年度は二十一億九千六百万円と、年々、増加傾向にある。 

 だが、「高知医療ピーエフアイの経営の中身は企業秘密の壁に阻まれて、ブラックボックス化している。赤字を招く原因の詳細も分かりにくくなっている」と、高知県議と市議で構成する「県・市病院企業団議会」議員の坂本茂雄県議(県民クラブ)は話す。 

 初年度には「病院は赤字でも、高知医療ピーエフアイは黒字」という情報があり、坂本県議が営業報告書を情報公開制度に基づき情報公開請求したところ、同社は約一億六千九百万円の収益を上げていたという。 

 病院経営にくわしい高知県内の公立病院の元職員は「公立病院の医療本体はどうしても赤字になりがちで、給食や検査、清掃、薬品調達などサービス部門で少しでも黒字にし、赤字幅を圧縮しようとする。しかし、医療センターではそうした利益の出る部門を企業に丸投げしたため、特別目的会社の構成企業だけが利益を得て、県民には負担という構造だ」と指摘する。 

 PFI導入のメリットは、高知県のように財政難の自治体が、民間資金の活用により、建設資金などの初期投資を抑える一方、長期の一括発注によって単年度発注よりコストが削減できる点が挙げられる。しかし、同センターでは、本館建設費約二百三十億円のうち、半分の百十五億円を民間の融資に、残り百十五億円も国の企業債、いわゆる借金に依存する。収益の有無にかかわらず、開院後数年は四億三千九百万円に抑えられている民間融資分の返済額は〇八年度以降、三倍近くに増加する見込みだ。 

 今後、こうして膨れ上がる借金返済のために県や市による補助金の増額は免れず、「行政がセンターを抱えきれず完全な民営になるようなことになれば、周産期や小児医療などの不採算部門が切り捨てられて、地域の医療が崩壊しかねない。それを一番心配する」と坂本県議は懸念する。 

 病院経営にくわしい城西大学経営学部の伊関友伸准教授も「公立病院が赤字になるケースは多いが、高知医療センターの場合、企業との契約というベールに包まれ、赤字の原因がわかりにくいのが一番の問題。まずは経営に関するあらゆる情報を公開し、問題の所在を明らかにすべきだ。法や条例で企業に公開を義務づけることも必要だろう」と話す。 

 また、「PFIの導入は大型駐車場やごみ焼却場など運営の仕方が比較的単純な施設なら民間のノウハウも生きて有効だろうが、経営が複雑で、医師や看護師などプロ集団を抱える病院には向かないと思う」とみる。 

 PFI導入によるメリットは、民間が経営に参加することで運営を効率化し、サービスの向上と住民の負担を軽減することにあるが、同センターの場合、現状では効果も疑問のようだ。

 センターに勤める職員は「(特別目的会社の)構成企業から企業へ業務の下請け、孫請けが重なり、中間マージンも増えて、現場の労働者は低賃金で使われている。関連業務の雇用の定着率は悪く、サービス向上どころか、業務の引き継ぎに追われ、現状では失敗としか思えない」と嘆く。 

 「『小泉規制改革』を利権にした男 宮内義彦」の著書があるジャーナリストの有森隆さんは「公立病院の経営をビジネスとしてやったことにそもそもの無理があったのではないか」と指摘。その上で、こう言及する。 

 「モデルケースとして英知を集め、計画性を高めたはずの高知医療センターで利益が思うように上がらず、県民の負担が軽減しないのであれば、PFIで病院は運営できず、この分野では小泉改革が想定したようには成功しなかったということではないか」 

    ◇ 

 デスクメモ 

 二年前、官業の民間開放の現状について、オリックス会長の宮内義彦氏を取材した際、宮内氏は「どんな分野でも民間がやれば、赤字にはならない」と自信たっぷりだった。だが、サービス低下が事実なら本末転倒で、モデル事業での汚職事件も恥ずかしい。小泉構造改革の負の遺産は格差問題だけではない。(吉) 



こちら特報部 『PFI病院』で贈収賄 民活制度の落とし穴とは(上) 官民癒着の温床か 構造改革 医療分野の目玉 『失敗』の声も 
2007.10.17 中日新聞  
  
民間資金などを活用するPFI方式で開業した全国初の公立病院「高知医療センター」(高知市)で汚職事件が摘発されてから十六日で一カ月。同病院は、小泉純一郎元首相以来、歴代内閣が推進してきた構造改革による医療分野の規制緩和の目玉となるはずだったが、病院関係者からは早くも「失敗だった」との声も。背景をたどっていくと、病院本体が赤字でも、関連業務を担う参入企業が潤う歪(ゆが)んだ構図も見え隠れする。(岩岡千景) 

 高知市池にある「高知医療センター」(六百三十二床)。受付では、女性スタッフが待機。来院者に「どこかお探しですか?」などと声をかけ、診療窓口や病棟などを案内している。ロビーは明るくて広く、一階には全国チェーンのコーヒーショップやコンビニエンスストアもある。 

 同センターは高知県と高知市の公立病院を統合し、二〇〇五年三月にオープン。小泉政権時代の規制緩和で推進された「PFI」方式で建設から運営まで行う公立病院第一号として、全国から注目を集めた。 

 同センターを経営する「高知県・高知市病院企業団」が〇二年十二月、オリックス・グループや竹中工務店など企業十一社で構成する特別目的会社「高知医療ピーエフアイ」と締結した契約額は、三十年間で二千百三十億円。同社は、医薬品調達や診療報酬請求、給食サービスなど、直接の医療行為を除く業務を請け負っている。 

 つまり、センターの建設から医療周辺業務の大半を担っているのは特別目的会社で、冒頭の受付業務もそのひとこまだ。 

 「ご覧の通りのサービスの良さが、病院経営に民間が参加したメリットです」。「高知医療ピーエフアイ」の間渕豊社長は胸を張る。だが、先月十六日、この病院を舞台に発覚した汚職事件については「組織としての関与はなかった」と言葉をにごした。 

 事件では、前院長の瀬戸山元一被告(63)=収賄罪で起訴=が、「高知医療ピーエフアイ」の中核企業であるオリックス・グループ関係者から約二百五十万円相当の家電や高級家具などを受け取っていたとして、収賄容疑で高知県警に逮捕された。贈賄容疑で逮捕されたのは「オリックス不動産」元社員二人で、三人は今月七日、高知地検に起訴された。 

 今回の汚職事件とPFI方式で建設、運営されたことと関連はあるのか。 

 「事件は、この方式でなくても起きる」。高知市の元職員はこう前置きしながらも「PFIの場合、発注権者である官と受注者である民間企業の垣根が低くなり、両者の境界があいまいとなり、癒着が生じやすくなる」と指摘する。 

 (メモ) 

 PFI プライベート(民間)ファイナンス(資金)イニシアチブ(主導)の略。民間の資金や経営ノウハウを活用して公共施設などの社会資本を整備する手法。事業コストの削減や、質の高い公共サービスの提供が目的。英国で誕生し、日本では1999年、PFI法が施行され、公共事業を民間が担うことが可能になった。通常、民間金融機関や建設会社などが特別目的会社(SPC)を設立し、国や自治体と事業契約を結ぶ。小泉政権下で2004年に設けられ、オリックス・グループの宮内義彦会長が議長を務めた政府の「規制改革・民間開放推進会議」が提言してきた。 

 内閣府によると、これまでに刑務所や図書館など国や自治体の公的事業で約300件について同方式が導入されている。