沖縄県立宮古病院・・医師の勤務は連続30時間の及ぶことがある。所定の勤務は午前8時半から午後5時15分。しかし医療不足のため引き続き当直に入り、さらに翌朝も外来と入院患者に対応するというパターン



『沖縄県立 宮古病院・・・医師の勤務は、連続三十時間に及ぶことがある。所定の勤務は午前八時半から、午後五時十五分。しかし、医師不足のため引き続き当直に入り、さらに翌朝も外来と入院患者に対応するというパターン。外科医の場合は、当直が月に七回もあり、診療科を問わず重症患者を受け持つ医師は、数日間病院に泊り込むことがある・・・ 
根本的解決は官僚経営を 断念し 努力する人が報われる経営体質に転換する事・・沖縄 中頭病院 ハートライフ病院 なぜ医師が充足しているのか?』  
      
  

活路 : 安谷屋 正明 県立宮古病院長 

医師の確保 最重要課題/待たれる「新宮古病院」の建設 宮古毎日新聞 投稿記事 

 宮古病院は宮古保健医療圏における中核病院としての役割を担っています。二十二の診療科からなり、救急や一般外来、臨床検査、手術、入院などの医療を施しています。しかしながら近年、医師不足と、それに伴う医師の過重労働問題が出ています。この問題の当面の対策は勤務医の採用努力しかありませんが、将来的には民間医との連携が強化される「新宮古病院」の建設が待たれているところです。 

医師不足問題宮古にも影響 
 当病院の医師の勤務は、連続三十時間に及ぶことがあります。所定の勤務は午前八時半から、午後五時十五分までです。しかし、医師不足のため引き続き当直に入り、さらに翌朝も外来と入院患者に対応するというパターンです。外科医の場合は、当直が月に七回もあり、診療科を問わず重症患者を受け持つ医師は、数日間病院に泊り込むことがあります。医師不足問題が、宮古にも影響しています。 
 当病院では二〇〇五年十月以降、常勤の脳外科医の不在が続いています。脳外科の医師確保については、これまで数人の医師から打診がありました。しかし、「二人体制でないと休みがとれない」、「子どもの教育」などを理由に断られる困難な状況にあります。また、耳鼻科は今年の七月から二人体制から一人体制に、産婦人科は二人体制ですが、中部病院からの派遣で維持されています。 

脳外科医の確保急務 
 救急医療では、急を要する脳外科患者への対応が最優先課題になっています。宮古で処置できない救急患者は、自衛隊機や民間機で沖縄本島の南部医療センターなどに搬送され、昨年度は四十三人に上りました。このうち二十一人が脳外科の患者で、その家族たちからは宮古病院における脳外科医確保に強い要望がありました。脳外科は緊急処置が必要とされる状況が多く、そうした声には早急に応えなければなりません。 
 医師確保については、琉球大学が取り組む「離島医療人養成教育プログラム」の成果にも期待しています。離島医療の体験を通じて、離島医療への興味を抱かせることを目的としたプログラムで、現在、これを履修する学生が週に五-六人当病院で研修しています。将来、一人でも多く宮古で働いてほしいと思っています。 

オープンシステム導入へ 
 「新宮古病院」構想の一つとして、宮古地区医師会の事務所を併設し、ここを拠点にした同会所属医師による診療が可能になる「オープンシステム」の導入があります。二つ目は救急患者を受け入れている宮古島市夜間・休日診療所の新病院への移設です。現在、同診療所にはレントゲンや検査機器がなく、救急患者の対応に限界があります。移設後は新病院の機器使用で診療の幅が広がり、連携も取れ当病院のハードな救急医療の緩和に結び付くことが期待されます。 

病院の建て替え重要課題 
 当病院は、築三十年余が経過しかなり老朽化しています。院内は狭くバリアフリーの形になっていません。駐車場も狭く、利用者は不便を来しています。病院の建て替えは安全・安心な地域医療確保のため、地域の重要課題になっています。現在地は敷地が狭いため、新病院は他の場所で建設する予定です。移転に当たっては、宮古島市の都市計画に医療、保健、福祉を一体化したゾーンを組み込むことが、望まれます。高齢化社会に向かって予防医学がこれまで以上に重要視されており、三者連携によってその点の充実強化が可能になります。新病院建設には、住民の意見も取り入れる機会をつくりたいと考えています。 
 地域住民に信頼される病院であるために、「地域と心かよわせ共に歩む」を理念として、住民の声に耳を傾け、職員一同取り組んでおります。 
 (聞き手・新城孝夫) 

 安谷屋 正明(あだにや・まさあき)1949(昭和24)年12月31日生まれ。57歳。旧平良市出身。76年神戸大学医学部卒業。同年同大学医学部小児科入局。82年県立宮古病院勤務。92年同病院小児科医長。01年同病院副院長。06年4月同病院院長。