山口県山陽中央総合病院 やまぐち見聞録:財源不足の自治体病院 光と山陽小野田、再編議論が沸騰 /山口


【平成9 年8月】 
山口県山陽中央総合病院 
やまぐち見聞録:財源不足の自治体病院 光と山陽小野田、再編議論が沸騰 /山口 
2007.08.26 地方版/山口   
◇合併で2病院抱える光と山陽小野田、再編議論が沸騰 

 全国の自治体病院が存廃の岐路にある。歳出抑制のため国が打ち出す三位一体の改革と医療制度改革が地域医療財政の根底を揺さぶっているのだ。県内でも、合併で二つの病院を抱えた光市と山陽小野田市では再編の議論が沸騰している。地域の医療はどこへいくのか。【安部拓輝】 

 「じり貧だ。このままではやっていけない」。6月14日、光市役所の市議会環境民生委員会。市病院局の田中修管理部長らは8人の市議に切り出した。資料のグラフは光総合病院の資金残高が6年後に底をつくことを示していた。 

 04年の合併協議では、旧大和町の町立大和総合病院と光市総合病院の存続は「約束事項」だった。ところが、小泉政権で始まった三位一体の改革で、国からの財源は04年度からの3年間(当初予算ベース)で約14億円も縮減。財政難のしわ寄せは病院局への繰入金にも影響し、毎年6割程度にとどまった。 

 市は昨年3月、光総合病院を救急患者用の急性期病院に、高齢患者の多い大和総合病院を療養中心の慢性期病院に機能分化し、スリム化を図るつもりだった。だが、3カ月後に成立した医療制度改革関連法で療養病床の大幅な削減が決定、病院収入はさらに減少した。 

 「2病院を維持する財源確保は困難」。経営計画を検証した医療コンサルタントの結論は大和病院の民間移譲にも触れていた。これに対し「話が違う」と大和町出身の市議が食い下がった。病院局は5年以降に両院のいずれかを市直営から切り離す方針で、議論は今後山場を迎え

 社団法人全国自治体病院協議会によると、今年4月までの5年間で10病院が統合・廃止され、18病院が民間移譲された。民営化で影響を受けるのは救急医療や産科、小児科。患者の絶対数の少ない都市郊外では不採算部門として廃止、縮小されるケースが多い。 

 来年3月に美祢市と合併する美東町と秋芳町が運営する共立美東国民健康保険病院は約7億円の負債を抱えながらも合併協議で存続が決まった。「地域医療の拠点は欠かせない」というのが一番の理由だが、新市は光、山陽小野田市と同様に2病院を抱える。経営対策は結局、合併後に持ち越された。 

 地域医療と経営改善。病院関係者からは「どちらをとっても『痛しかゆし』の状態」と嘆きの声が漏れる。全国自治体病院協議会の小山田恵会長(元岩手県立中央病院長)は「選挙で票になりにくい医療予算はどん底まで削られ、地域医療の質を削っている」と訴える一方で「地域のエゴ」についても指摘。「大学や病院、自治体間で連携を強めて再編の可能性を探り、患者を守る必要がある」と話す。