静岡県南伊豆町共立湊病院事務組合経営について・・・鈴木史鶴哉南伊豆町長へ

『静岡県南伊豆町共立湊病院事務組合経営について・・・鈴木史鶴哉南伊豆町長へ』 
伊豆町共立湊病院

 これまで、単独の自治体では負担できない行政需要の補完的役割を果たしてきた事務組合であるが、現在全国でみられるのが、構成自治体同士の喧嘩である。 

財政難が進み、これ以上病院への繰出金を負担できない自治体が増えていることが原因である。 

事務組合立の病院については、速やかに地方独立行政法人(非公務員型)への移行や、単独自治体での経営形態へ移行するなどまともな意思決定ができる体制へ改革すべきであろう 

社団法人地域医療振興協会 南伊豆町共立湊病院(指定管理者)の経営は順調である。指定管理者の意向を100%入れる(しかし税金投入なしの 佐賀関町病院をモデルに!)・・権限と責任の一任が最良の選択・・構成自治体も 素人経営を放棄することが住民のためである。



 病院事業を運営する一部事務組合には次の問題点がある。 

(1)当事者の病院事業への視座 

一部事務組合は市町村の寄り合い所帯であり、それぞれの構成団体の意向が強く働き、広域的な視点に立った事業展開は「総論賛成、各論反対」になり勝ちである。 

一部事務組合の自治体病院にあっても、管理者自身は首長という立場もあり、ややもすると地域全体の利益よりも自らの出身団体の利益を優先させる傾向がある。 

これをチェックするのは組合議会しかないが、所詮は組合議会議員も出身自治体の動向に左右され、広域的観点からの意見調整ができない。 

組合管理者(首長)が広域の病院という意識を強く持ち、むしろ出身自治体の意向(特に市町村議会)を抑制していかなければ構成団体の一致協力は得られない。 

一部事務組合で病院事業単独の企業団では病院事業管理者を置かず、その権限は企業長が行うこととされており(地公企法§39の2)、 
企業長は構成団体の長が共同して任命することとなっているため、自治体と病院事業管理者は分離できることから、首長が管理者となる弊害を回避する一つの手段といえる。 

(2)市町村間の意見調整 

構成団体のベクトルが一致しないと既存事業であっても円滑な遂行は期待できない。共同処理すべき事務と位置付けられても、首長が選挙により交替すると場合によっては事務が停滞する。 

自治法では一部事務組合の経費分賦について異議申出を認め、申し出があったとき管理者は組合議会に諮って決定する規定があるのみで、市町村間で意見が異なる場合、当事者間の調整に任せ調停の仕組みがないことが問題を長期化させているのではないかと思われる。 

病院においても、仮に組合管理者と病院長が経営改善の施策が一致していても構成団体の理解が得られないと有効な手を打てない。 


(3)意思決定のスピード 

一部事務組合は、いくつかの自治体で構成され構成団体との意見調整によって事務が進められており、この多段階のシステムが意思決定を遅らせており、現に、看護師配置基準の改定により1.4:1が制度化された際、病院の職員定数規定などが支障となって自治体病院は出遅れたといわれている。 

医療制度が大きく変わろうとしている中、自治体病院が民間病院並みの意思決定のスピードを持つには、公営企業法の全適で病院事業管理者に人事権、予算編成権など経営に必要な権限を委ねるか、指定管理者又は地方独立行政法人(非公務員型)で運営することが適当。 

なお、公営企業法の全適では事実上、首長の関与を拒むことは難しい。、首長と病院事業管理者との信頼関係がなければ、意思決定も遅くなり経営改革もできない。全適への変更は 改革偽装が多い。 

(4)その他 

① 小規模の一部事務組合では、職員数も少なく日常業務に追われ研修等への参加機会が制約されスキルアップもできない。 

また、そこに構成団体とのローテーション人事が加わると組織としての知識・経験が蓄積されない。 

また、決裁権をもつ幹部職員がローテーション人事で派遣され出身自治体の意向が反映されてしまうという弊害も生じやすい。 

② 公営企業全般にいえることでもあるが、構成団体の財政サイドでは、複式簿記になじみが薄く、特に病院事業にあっては業務の複雑さも手伝ってチェック機能が十分働かない。 

③ 構成団体の財政力の差から、繰出金が認められている事業についても繰出金の負担能力の関係から財政力の低い団体に合わせるようになり、不採算事業が制約されることが考えられる


共立湊病院決算、2年ぶりに黒字-賀茂 
2007.08.18 朝刊 19頁 静岡新聞 4東   
 賀茂地区六市町で構成する共立湊病院組合議会(管理者・鈴木史鶴哉南伊豆町長)は八月定例会を十七日、南伊豆町湊の同病院で開いた。平成十八年度の決算認定について審議し、管理者側は二年ぶりに約四百九十万円の黒字に転じたことを報告した。 

 同組合によると、黒字になった要因は運営経費の削減のほか、指定管理者「社団法人地域医療振興協会」に支払う委託料などが、医療収益を下回ったことなどを挙げている。一方、医療設備の投資によって現金預金は前年比で約八千万円減り、約十億六千八百万円になった。 

 管理者側は病院の運営について、本年度末に指定管理者の期限が切れる同協会を、来年度から再度指定する意向を明かした。病院の建て替え問題を含めた将来的な課題については、二十年四月に県立下田北高と統合する県立下田南高の跡地以外も含めた移転構想や、運営形態を民設民営にすることも視野に入れて検討する考えを示した。 

 定例会ではそのほか、新議長に伊藤英雄下田市議を選出。副議長には山田厚司西伊豆町議、監査委員には山田直志東伊豆町議をそれぞれ選んだ。 

静岡新聞社