舞鶴市内の四つの公的総合病院・・・少ない医師が分散して患者を奪い合う現状が続けば、どの病院も生き残れない

『舞鶴市内の四つの公的総合病院・・・少ない医師が分散して患者を奪い合う現状が続けば、どの病院も生き残れない』 
 

24時間、救急受け入れを続けている舞鶴医療センター。
当直明けの朝も診察にあたる勤務医(舞鶴市行永) 


国家公務員共済連合組合・、独立行政法人・国立病院機構・舞鶴赤十字病院・市立舞鶴市民病院という 開設母体の異なる病院の 統廃合の動きは 各病院の本部の意思決定が出せるか疑問。医師の立ち去りで 財政が行き詰まったところが財政破綻するまでは進みそうも無い。 

先ず最初に市立舞鶴市民病院にレッドマークということになるのではないか。合意が極めて難しい検討委員会での結論を待っている時間的余裕は 舞鶴市には無い。 


アクセス21 医師不足解消へ「舞鶴モデルを」 公的4病院 統合目指す 
2007.08.12京都新聞   
  
京都府府北部と福井県などから多くの患者を集めてきた舞鶴市内の四つの公的総合病院が、医師不足に悩んで運営母体の違いを乗り越えての経営統合を検討している。近年、各地でも病院再編が進むが公立同士が大半で、母体の異なる統合はあまり例がない。これまでの議論をまとめ、先行例と比較した。(舞鶴支局 高元昭典、川辺晋矢) 


経営母体の違い 課題に 
 「少ない医師が分散して患者を奪い合う現状が続けば、どの病院も生き残れない」。統合案を提示するのは、市長の私的諮問機関「舞鶴地域医療あり方検討委員会」。四病院代表、医師会、学識経験者らで構成し、五月から市民に公開での議論をスタート。現在、全委員が「再編は不可欠」との見解で一致する。 

 医師不足の主な原因は規制緩和による研修医制度の変更だ。二〇〇四年から研修先を自由に選べるようになり、舞鶴でも五年間で三十人以上の医師が去り、各病院で診療科の休止が相次いだ。 

労働環境悪化 
 勤務医の労働環境も悪化した。検討委が七月に勤務医を対象に調査したところ、回答者の83%が「当直明けでも平常通り夕方まで働く」と答え、ある医師は「三十七時間勤務も」と報告。「今後も舞鶴で働きたいか」に対し約半数が「いいえ」「待遇改善がなければ困難」と返答。医師流出が続く可能性を裏付けた。 

 統合案は「一病院」と「東西一カ所ずつの二病院」の二案だ。医師を集中させて勤務医の負担を減らし、医師減少に歯止めをかける。一定の手術件数がある病院で技術を磨きたい医師を呼び込みやすい環境も目指す。 

 最大の課題は、経営母体の違いだ。診療科を大きく減らした市民病院を除いて他の三病院はほぼ同規模で、対等な統合を図ることになりそうだ。検討委では、複数の委員が統合段階や実現後の運営を統括する新組織の必要性を訴えている。 

 厚生労働省や医療関係者によると、想定される運営主体は
▽〇四年から自治体が医療や福祉などの分野で設置できるようになった「地方独立行政法人」

▽過疎地などを受け持つ条件で医療外の収益事業も行え、国が四月に設立を認めた「社会医療法人」

▽指定管理者制での民間活用-など。 

 実現には各病院の上部組織の了解が必要になるが、独立行政法人・国立病院機構は「地域から実情に即した枠組みが提案されれば耳を貸さないわけにはいかない。ただ、われわれの理念もあり、結論の内容次第で検討する」と柔軟な対応に含みを持たせる。 


異なる治療法 
 統合で、逆に医師が減ったケースもある。岩手県釜石市では県立が市民病院を吸収して四月に統合。病床利用率が改善されたが、市民病院の常勤医の大半が移籍を拒否。「派遣元の大学が異なり、手術など治療法の違いを敬遠したのが主な原因」と同県は説明する。 

 舞鶴市でも医師の派遣元は、府立医科大と金沢大、福井大の三つのルートに大別され、統合後に懸念の声もある。 

 病院統合について、厚生労働省医政局指導課は「自治体病院を中心として民間も含めた統廃合を図る地域は今後、全国的に増えるだろう」とした上で、「基幹病院から遠い住民の利便性を補う多くの施策が必要」と配慮を求めており、検討委の後藤章暢委員長は「住民が納得する形で、二十一世紀に通用する舞鶴モデルを」と意欲を見せる。 

 斎藤彰市長は「未来に市民が安心できる医療環境をどう残すか、責任の重みを感じている」と話す。検討委の答申は、今秋の予定だ。 


舞鶴市内 公的4病院の特徴 

【舞鶴赤十字病院】西舞鶴地区で唯一の公的病院。行政や住民の要望を受けて、1953年に発足。常勤医は18人で、整形外科など8診療科。内科の医師を中心に、常勤医が減少している。 

【舞鶴共済病院】旧海軍工廠関係者を対象に1907年発足し、現在は国家公務員共済連合組合が運営。18診療科。常勤医は40人だが昨年から8人減り、6月に心臓血管外科を休止。7月からは内科を紹介外来制に縮小。 

【市立舞鶴市民病院】1940年発足の旧海軍と家族対象の海仁会病院が前身。2004年春の内科医集団退職を機に診療体制を縮小。内科や脳外科など7診療科、常勤医5人。毎月約9000万円の赤字を生み、累積赤字は約35億円。 

【舞鶴医療センター】1901年に海軍病院として発足し、現在は独立行政法人・国立病院機構が運営。20診療科。常勤医は39人。2006年に産科医不足から同科を休止し、07年春に院内助産所を開設。常勤医は減少傾向。