『特定医療法人社団カレスサッポロの円建て長期発行体デフォルト格付(IDR)「BBB」を格付ウォッチ「ネガティブ」の対象に変更』・・

『特定医療法人社団カレスサッポロの円建て長期発行体デフォルト格付(IDR)「BBB」を格付ウォッチ「ネガティブ」の対象に変更』・・ 

フィッチ・レーティングスの ホームページより 

フィッチ・レーティングス-東京 /シンガポール-2007年5月23日: 
フィッチ・レーティングス(「フィッチ」)は特定医療法人社団カレスサッポロ(「カレスサッポロ」)の円建て長期発行体デフォルト格付(IDR)「BBB」を格付ウォッチ「ネガティブ」の対象にした。適時開示の条件が満たされず、信用力に懸念が生じたためである。 

カレスサッポロの2006年3月期は最近買収した病院の統合と法人の再編が行われた年度であるが、格付の見直しに必要となる、外部会計監査人の適正意見の付与された財務諸表の開示が履行されていない。今後財務状態の修正報告がされる可能性も排除できないことから、カレスサッポロのIDRは格付ウォッチ「ネガティブ」の対象となった。適時開示は医療法人の説明責任履行能力および経営の透明性を表す重要な条件であり、これが実行されないと信用力に対する公正中立な判断ができない。フィッチは引き続き2006年3月期の財務諸表の開示の帰趨をウォッチし、開示の内容を検討したうえで格付の見直しを行う。 

(本稿は原文「Fitch Places Caress Sapporo on Rating Watch Negative」をもとに作成されています。) 

照会先: 
明石 陽子 03-3288-2641、阿部 彰彦 03-3288-2704、ペッカ・ライティネン 03-3288-2747 
ウィリアム・ストリーター +65-6339-0441(シンガポール) 

メディア照会先:尾崎 千夏(東京)03-3288-2679 

フィッチの格付の定義および格付に使用する用語は弊社のウェブサイトwww.fitchratings.com/ www.fitchratings.co.jp(日本語)に掲載されています。公表された格付、格付基準、格付手法も同サイトに常時掲載されています。フィッチの行動規範、守秘義務、利益相反、関連会社間のファイアウォール、コンプライアンス及びその他の方針・手続き等もwww.fitchratings.com上の「行動規範」でご覧いただけます。 


(参考) 格付け 付与時の 情報開示 

  フィッチ、カレスサッポロに「BBB」格付を付与;アウトルックは「安定的」 
2006年03月16 日 

フィッチ・レーティングス-東京 /シンガポール-2006年3月16日: フィッチ・レーティングス(「フィッチ」)は本日、北海道、札幌市を基盤とする特定医療法人社団カレスサッポロに円建て発行体デフォルト格付(IDR)「BBB」を付与した。 

今回の格付は、現時点で札幌市内の8つの医療施設を運営する法人であるカレスサッポロを対象とするものであり、役員を派遣している関連法人はこれに含まれない。カレスサッポロは2005年3月末には 1)北光記念病院、2)形成外科メモリアル病院、3)北光記念クリニック、4)家庭医療クリニック西岡の4医療施設を運営しており、病床規模は合計260であった。しかしながら、過去12ヶ月間に実施された時計台病院、稲積公園病院、稲積公園クリニックの買収・統合および時計台記念クリニック新規開設の結果、現在では4病院、4診療所の8施設を運営することとなり、病床規模も合計475へと拡大している。今2006年3月期の医業収入はおよそ90億円と前年比で倍増する見込みである。 

カレスサッポロの格付は、経営陣の優れた経営手腕を反映している。同法人には、経営不振に陥った病院に対する経営面、医療面の支援要請が持ち込まれることが多いが、支援先病院はいずれも業績が急回復している。フィッチは、カレスサッポロの経営陣が規制環境の変更や人口動態の動向を見据えた戦略にたけ、医療法人に対する透明性の向上や説明責任を求める環境変化に前向きに対応していることを評価している。これまで同法人が実行してきた戦略的取り組みや経営手法が、医療法人に対する多様なステークホルダーの期待に応える方向で実施されていることは、カレスサッポロの事業基盤をより強固にするものと考えられる。同法人の中核病院である北光記念病院は心疾患の治療で定評があるが、最近傘下に加わった病院はそれぞれリウマチ膠原病および肝臓疾患の分野に強みを持つ。今回の統合で、専門性の高い医療分野に強い病院グループを形成する「範囲の経済」に加えて、共通の本部機能の下に人事管理・医事・用度部門を集中することによる「規模の経済」も享受できるため、取引先に対する交渉力や近隣の医科系大学や医療機関との連携も強化されるであろう。 

カレスサッポロの経営陣は、傘下病院の機能の統合・再編が完了した後、統合効果を一層高めるため新たな施設を建築・移転する計画を検討している。フィッチは今回の格付にあたって2009年までの統合期間の収支計画に基づき、想定債務の返済負担に比べて余裕のあるキャッシュ・フローが生まれるかどうかを検討した。統合前のカレスサッポロのEBITDA比率は日本の病院としては比較的高めであるが、保守的に見積もった収支計画においてもこの水準は維持され、年間の債務負担に対するEBITDA倍率は向上し、キャッシュ・フローに余裕が生まれることが示されている。現在検討中の移転プロジェクトは借り換えも含めて将来120億円相当の多額な資金調達を伴い、これは20年ほどの長期にわたって返済される計画であるが、今後数年の統合期間における手元流動性や返済余力の増加は将来の資金調達を円滑に進めるのに役立つだろう。 

しかしながらカレスサッポロという法人が急速に発展・拡大しているため、持続的な収入やキャッシュ・フローの水準が定まらないことは主な懸念材料のひとつである。前経営陣から引き継いだ北光記念病院の累積損失は解消しているものの、依然脆弱な自己資本もリスク要因として指摘しておく必要がある。将来の移転プロジェクトはまだ詳細が決定されていないが、工事遅延、コストアップ、金利上昇リスクなどプロジェクトに関わるリスク要因も加わることになろう。 

「安定的」アウトルックは、現経営陣の明確な戦略と今期傘下に加わった病院の業績が好調に推移していることを織り込んでいる。このようなプラス要因によって追加的な買収案件や移転プロジェクトに関わるリスク要因は緩和されると考えられる。現在進行中の組織再編が奏功してEBITDA比率が想定より上振れた場合、また移転後の遊休地を売却して資金に余裕が発生した場合などによって調達所要資金が減額されればアウトルックは上方修正されよう。逆に新たな支援要請を受けて余裕資金が費消されたり、プロジェクトのコストが上振れて追加的な負担が発生したりする場合には下方修正されよう。 

  
  フィッチレーティングス ジャパン http://www.fitchratings.co.jp  より転載