『市立敦賀病院・・迷走73億円の壮絶な無駄ずかい?』

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『市立敦賀病院・・迷走73億円の壮絶な無駄づかい?』 


福井県敦賀市 市立敦賀病院は2003年度から約73億円を投じて全面改修し、25床を増床 

しかしその後、医師の流出が相次いだため、2006年年10月、全375床のうち79床を閉鎖。 

2007年年4月に2人の医師を確保し、一部を復活させたが、病院の配置計画からは現在も医師9人が足りず、40床余りが使われないままだ。 



医療格差 
2007.07.24 読売新聞  
  
◆医師不足「公立」に波紋 嶺南の人口10万人当たり156.3人 

 嶺南の人口10万人当たりの医師数は156・3人。全国平均201・0人、嶺北の212・8人を大きく下回る。医療格差をまざまざと示す数字だ。 

 「病院利用率は医師の減少により70%に低下。医師の数に応じた適正規模での運営も検討すべきだ」 

 市立敦賀病院(敦賀市三島町)の経営を巡り、5月に開かれた有識者による検討委員会。公認会計士でもある委員の1人が病院の現状を分析した資料には、そう記されていた。 

 同病院は2003年度から約73億円を投じて全面改修し、25床を増やした。しかしその後、医師の流出が相次いだため、昨年10月、全375床のうち79床を閉鎖。今年4月に2人の医師を確保し、一部を復活させたが、病院の配置計画からは現在も医師9人が足りず、40床余りが使われないままだ。 

 「地方の公立病院の自助努力だけで、何とかなる話ではないのだが……」。診療体制の縮小すら示唆する記述に、小倉和彦事務局長は苦い思いをかみしめた。 

       ◇ 

 過疎地を多く抱える嶺南は、開業医が少なく、公立病院に負担が集中する傾向にある。医師の勤務は過酷になりがちだ。やはり医師不足に悩む公立小浜病院は、現場の負担を減らすため、6月から内科と循環器科の初診外来の受け付けを、かかりつけ医の紹介状がある場合に限定した。 

 一方で、医師の給与は自治体の条例で定めており、高給を条件にして個別に募集するのは難しい。 

 嶺北でも、今年度から奥越地域で出産できる病院がなくなった。勝山、大野両市は福井大病院に妊産婦の受け入れを要請。勝山市は同病院への交通費の助成に踏み切った。医師の偏在は、県内各地に影を落としつつある。 

       ◇ 

 県は今年度、医師不足の公立病院で勤務する研修医に対し、ホテルの宿泊費などを助成する制度を作った。嶺南で勤務する医師を育てるため、関西電力が出資して今年創設された奨学金制度には、福井大医学部の学生ら15人が1期生として応じた。だが、成果が出るまでには、年単位の時間が必要だ。 

 市立敦賀病院を訪れた敦賀市内の主婦(44)は「原発というリスクを引き受けている嶺南の住民が、身近でちゃんとした医療が受けられないようでは、納得できない」と素直な感情をぶつける。 

 「いつでも安心できる地域医療システムを!」などの著書がある酒井文彦医師(横浜市)は「産科や小児科の過酷な勤務がきちんと反映され、病院が適正に運営できる医療報酬の設定が必要。地域の大学医学部の定員を自治体予算で増やせるようにするなど、政治の役割は大きい」と指摘している。