『東日本税理士法人・・速報医療経営HOT情報2007.05.07 「自治体病院は画期的な新しい資金調達の道(デクシア銀行)を積極的に選択・活用すべきである・・でご紹介した自治体融資専門金融機関の続報です』

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『東日本税理士法人・・速報医療経営HOT情報2007.05.07 「自治体病院は画期的な新しい資金調達の道(デクシア銀行)を積極的に選択・活用すべきである・・でご紹介した自治体融資専門金融機関の続報です』 


2007.06.30 週刊ダイヤモンド 

地方債の発行は長らく国の許可制であり、東京都や神奈川県など一部を除いて、新発債の表面金利や発行価格は発行する自治体の信用力にかかわらず、すべて同じ条件に統一されていた(既発債の流通市場では利回り格差がある)。 

 これが自由化され、自治体の裁量に任されるようになったのは昨年九月からであり、発行体であるほとんどの自治体にとっては、資本市場からの調達はまだ“未知の世界”であるのが実情だ。その証拠に、現在までに依頼して格付けを取得した自治体はわずかに四団体(東京都、横浜市、神戸市、近江八幡市)しかない。 

 外国人投資家に地方債を買ってもらおうと思うなら、格付けの取得は最低条件である。現在、資本市場で地方債を発行する四二の自治体(公募団体)の多くが、格付け取得を検討している模様だ。 

 実際、「今年度に入り、非常に多くの自治体から格付け取得の相談を受けている」(安田稔・格付投資情報センター格付本部チーフアナリスト)という。その結果、「近い将来、少なくとも公募団体では格付け取得が一般的となるだろう」(丹羽由夏・ムーディーズ・ジャパンアナリスト)。 


第二の「夕張市」が出れば金利格差は一気に拡大 

 格付け取得は第一歩にすぎない。有利な条件で資金調達をするためには、積極的な情報開示や幹事証券会社の選別など、民間企業と同じくさまざまな努力が必要になる。 

 前述の「暗黙の政府保証」により、おそらく格付けにそれほど差がつくことはないだろう。だが、資本市場の目はより厳しい。昨年六月、北海道夕張市が財政再建団体の申請を公表するや、流通市場での地方債の利回り格差は一気に拡大した。財務内容のよい東京都と、苦しい大阪府との国債スプレッド(同じ年限の国債に上乗せする金利)の格差は、あっという間に〇・二五%にまでふくらんだ(上のグラフ参照)。 

 最近は資本市場が比較的穏やかで投資家サイドの投資意欲が高く、スプレッド格差は縮小傾向にあるものの、「地方債はヘッドラインリスク(資本市場に関するニュースで相場が乱高下すること)に過敏に反応するので、なにかニュースがあればスプレッド格差はまた一気に拡大するだろう」(江夏あかね・日興シティグループ証券シニアクレジットアナリスト)。 

 たとえば、今国会を通過した地方財政健全化法により、夕張市ほど追い詰められる前に「財政健全化団体」に指定される自治体が出てこよう。〇八年度決算から適用されるため、早ければ今年末にもこうした自治体名がニュースに出ないとも限らない。そうなれば、自治体ごとの調達金利差は一気に拡大し、財務内容が苦しい自治体は、不利な条件でしか資金調達できなくなる。まさに民間企業と同じように、マーケットに厳しい点数をつけられるようになるのだ。

 地方銀行などが個別に引き受ける縁故債は、引き受け側にも「自治体の指定金融機関になりたい」など営業上の狙いもあり、自治体は“殿様商売”ができていた。だが、外資の年金基金やヘッジファンドなどは、数字のみで冷徹に判断する。財務内容の苦しい自治体は、ますます追い詰められることになるのだ。 


 地方債になだれ込む海外資金 自治体財政に高まる「外圧」 
       
地方自治体の長期債務残高は二〇〇兆円(うち市場公募の地方債は二九兆円)を超え、国と同じく過剰な債務にあえいでいる。しかも政府資金での地方債引き受けは激減しており、今後は資本市場からの資金調達にシフトせざるをえない。ここに目をつけた外資が続々参入することで、情報開示など厳しい市場の圧力にさらされるのは必至だ。 


 この半年、ものすごい勢いで地方債を買いまくっている外資系銀行がある。年限二〇~三〇年の超長期債や、地方銀行などが引き受けた縁故債の下取り、流通市場から既発債も仕入れている。すでに地方債の保有残高は約四〇〇〇億円にも上り、証書貸し付けの地方債(融資)まで含めると、五七〇〇億円にもなる。 

 この銀行は、フランス・ベルギー系の金融機関デクシア。公共部門への融資に特化した金融機関として世界最大級だ。二〇〇兆円にも及ぶ日本の地方自治体マーケットに目をつけ、昨年末に東京支店を開設、本格参入を遂げた。 

 デクシアだけではない。大手証券や格付け機関には、欧米の年金基金や投資銀行、ヘッジファンドなどから地方債に関する問い合わせが殺到している。「○○県の財務資料の英文はないか」「この指標は何を指すのか」など内容もレベルも千差万別という。要は日本の地方債が一種の“ブーム”になっているのだ。今年三月に横浜市が発行した三〇年債では、一〇社以上の外資系金融機関が「買いたい」と殺到、発行額を一〇〇億円から一五〇億円に急きょ引き上げた。 

 この“地方債ブーム”の直接のきっかけは税制改正だ。来年一月から非居住者の保有する地方債の利子が非課税になる(現在は原則一五%源泉徴収される)。「日本の地方債に投資したい欧米の機関投資家は大勢いるが、利子課税がネックだった」(外資系証券)だけに、非課税措置により一気に海外資金が流入しそうだ。その金額は数兆円レベルに達すると見る関係者もいる。 

 地方債には「暗黙の政府保証」(法的根拠はないが、国が元利払いを保証しているという認識)があると広く見なされており、総務省も「地方債はデフォルト(債務不履行)しない」と公言している。であれば、国債より利回りのよい地方債は、外国人投資家にとって大変魅力的なのだ。 


(雪崩を打って格付け取得に動く地方自治体) 


 一方、発行体である地方自治体側にも、外国人投資家を受け入れざるをえない理由がある。左ページ下のグラフを見てほしい。小泉純一郎前首相の財政投融資改革により、政府資金による地方債の新規引き受け(財政融資や日本郵政公社資金による融資)は五年前の七兆六〇〇〇億円から、三兆三〇〇〇億円(〇七年度予算)へと一気に半減した。 

 一方、一〇%程度だった市場からの公募調達は、三〇%近くまで急拡大しており、今後もその傾向は続く。「政府資金と公営公庫資金が占める五兆円程度のシェアが、われわれの潜在市場」(前葉泰幸・デクシア・クレディ・ローカル銀行東京支店副支店長)というように、自治体は安定財源確保のため、政府資金から市場調達にシフトし、多様な投資家を開拓するのが急務となっている。